テキサス州のGC・オブ・ヒューストンで開催されたシェル・ヒューストンオープン(4月3日〜6日)に挑んだ石川遼。4日間通算3アンダー、31位タイと奮闘したが、マスターズ(4月10日〜13日/ジョージア州)出場への条件となる優勝には届かず、5年連続で出場してきた"夢舞台"への切符は手にすることができなかった。

 それでも石川は、昨年予選落ちした試合で、まずは4日間戦い抜いたことに満足した表情を見せた。

「この大会は、昨年予選落ちしているし、池が際どいところに絡んでくる難しいコースだな、というイメージが強かった。だから、試合前はコースを攻略できるのか、かなり不安がありました。でも、狙ったところに打てる技術があって、ある程度ショットをコントロールできる状態にあれば、自分でもそれなりにやれるんだな、と思った。おかげで、すごく充実感がある。昨年とは話にならないくらい、自分の技術が上がったな、という実感を得られました。特に(初日から3日目までバーディーを奪った)4番のロングホールの攻め方なんか、昨年と違って格段にうまくなったと思うし、昨年は(初日に)池に落として大叩きした(ダブルボギー)18番でも、4日間フェアウェーをとらえることができた。

 もちろん、このコースを含めて、まだまだ苦手だな、と思うコースはある。それでも、自分に合うコースと、合わないコースとの落差が今年はなくなってきている。合わないコースでも、ダボを叩くような"大怪我"が減って、ボギーも続かなくなった。毎週、毎週の試合でさまざまな経験をして、そこで得たものが自分の身についてきて、技術も全体的に上がっているな、というのを感じています。昨年や今季の序盤は、いい試合があっても、次の週も同じようにできるか半信半疑な部分があったけれども、今ではそれ相応にはやれるな、という確信が生まれ始めている」

 予選落ちが続いた昨季とは異なり、今季はトップ10フィニッシュを3度飾るなど、高いレベルのプレイを見せている石川。試合を重ねるごとに、スイングの安定感も増して、米ツアーでの戦いにも確固たる自信をつかみつつある。ゆえに、今年のマスターズに出場できないことは素直に悔やみながらも、気持ちの切り替えはできていて、すでに視線の先は来年のマスターズに向いていた。

「(マスターズに)自分が出られないのは残念だけど、気持ち的にはすごくすっきりしています。来年のマスターズに向けて、今、この時点からスタートだな、と思っています。そして来年こそ、特別招待とかではなく、世界ランキング(50位以内)など、出場資格をクリアして、マスターズの舞台に立てるようにしたい。

 それには、自分の世界ランキング(78位※4月7日現在)を20〜30位くらい上げなければいけないので、かなりタフな戦いにはなるけれども、目標は常にそこに置いておきたい。それに、おそらく今度のマスターズを(外から)見ていれば、今の自分の技術だったら、どういうふうに攻めるんだろうって、考えながら見ると思う。そこでまた、これからの一年間、一日、一日をマスターズ出場のためにやっていこう、という気持ちになる」

 小学生のときの作文で「マスターズ優勝」という夢を綴った石川の思いは、いまだブレることはない。厳しい米ツアーに戦いの場を移したのも、すべてそのためである。

「自分が向上心を持ってやれるのも、常にそれ(マスターズ優勝という夢)が頭の中にあるから。一秒たりとも忘れていないってことはないけど、小さい頃からそこを目指して厳しい練習を積んで、今でも続けているってことは、一度もそのことを忘れていないから。

 現状では、(マスターズ)出場が目標になってしまっているけど、出場できれば、全員に優勝のチャンスがある。そういう人が、招待されていると思っている。だからこそ、まずは出ることが最大の目標。それも、出場資格をクリアして出られるようになれば、勝つ力が備わった、ということだと思う。そういう意味では、(世界ランキング50位以内で出場する松山)英樹はマスターズで勝てる力を持っているということ。今回、どんな活躍を見せてくれるのか、すごく楽しみ。自分も来年は、そこを目指していきたい」

 最近は、「毎試合ごとに新しい発見があって、練習をしていてもすごく楽しい」という石川。米ツアー2シーズン目を迎えて、着実にステップアップし、自らの調子や米ツアーにおける立ち位置も冷静に分析できるようになってきた。そんな石川が確かな手応えをつかんだ今、世界ランキングを上げることはもちろん、ツアー優勝を飾って、来年のマスターズ出場権を得ることは、何ら不思議なことではない。

text by Sportiva