Android向けに発売されたセキュリティアプリ「Virus Shield」は、3.99ドル(約410円)という値段ながらもそのシンプルな使いやすさがユーザーの間で好評を得て、発売後1週間で1万回以上ダウンロードされ、新着有料アプリの第1位を獲得しました。しかしながら、Android向けのアプリのニュースやレビューを掲載しているAndroid Policeが独自にVirus Shieldを調査したところ、Virus Shieldが何もしないアプリだったことが判明しています。

The #1 New Paid App In The Play Store Costs $4, Has Over 10,000 Downloads, A 4.7-Star Rating... And It's A Total Scam [Updated]
http://www.androidpolice.com/2014/04/06/the-1-new-paid-app-in-the-play-store-costs-4-has-over-10000-downloads-a-4-7-star-rating-and-its-a-total-scam/

Virus Shieldのアプリページには「有害なアプリのインストールの阻止」「アプリ・メディアファイル・セッティングのスキャン」「個人情報の保護」といったセキュリティアプリの基本的な機能が記載されていて、「バッテリーへの影響も少なく、広告もありません」といううたい文句まで書かれていました。

Virus Shieldはセキュリティソフトとしての基本的な機能を搭載しているだけではなく、操作方法もディスプレイ真ん中のアイコンをタップするだけというシンプル操作を実現。下記の画像のように×のアイコンをタップして、チェックのアイコンに変わるとウイルススキャンは終了します。


Virus Shieldのシンプルな操作性やUIはユーザーの間で好評を得て、アプリは星5つ中で4.7点のレビューを獲得。ダウンロード数も1週間で1万回を超え、見事新着有料アプリの1位をゲットします。


しかしながら、Android PoliceがVirus Shieldのコードを調べたところ、Virus Shieldがセキュリティアプリとしての機能を何も搭載しておらず、ただのゴミアプリであることが発覚します。Android Policeによると、Virus Shieldの機能はディスプレイに表示されたアイコンを×からチェックに変えることだけ。Android Policeは調査したコードの詳細をZIPファイルでダウンロードできるように公開しています。

Google PlayのVirus Shieldのページには開発者が記載されていませんでしたが、開発者のメールアドレス「Jesse_Carter@live.com」を調べると、Jesse_Carter@live.comはユーザーに役に立たないアプリを販売しようとしたことで、アカウントが停止されていることがわかりました。


なお、記事執筆現在Google PlayからVirus Shieldは削除されており、意味のないセキュリティアプリを販売して利益を上げたと思われる開発者に関しては、アカウントが停止されていること以外何も分からずじまいです。