日本人はNGの本当の理由

写真拡大

国際政治の舞台では「沈黙は金」ではない。いかに相手を説得するかが重要だ。このところ、中国と韓国による「反日」キャンペーンが目立つが、日本のゆがんだイメージが世界に拡散する恐れはないか。先日は国際司法裁判所で南極海での調査捕鯨が中止に追い込まれた。日本は主張すべきことをちゃんと主張しているのだろうか。情報発信力は大丈夫なのか。

J−CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(http://www.j-cast.com/mono/bookwatch/)でも特集記事を公開中。

和歌山県太地町とフェロー諸島

『白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由』

和歌山県太地町のイルカ漁は、映画『ザ・コーヴ』にみられるように、海外の過激な動物愛護団体のターゲットとなり、様々な批判や攻撃を受ける。イルカ漁は長年にわたって受け継がれてきた漁業のひとつであり、その肉は大切なたんぱく源として利用されてきた。日本の伝統的な産業や食文化について、なぜ外国から非難を受けなければならないのか。講談社+α新書の『白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由』(著・吉岡逸夫、905円)は、この疑問に答えようという1冊である。

著者は海外取材豊富な中日新聞の記者。太地町と同じようにイルカ漁をするデンマークのフェロー諸島を取材し、両者の違いに気付く。イルカ漁について沈黙を保つか、堂々と正当性を主張するか。疑問を解く鍵は、そこにあった。

色眼鏡の曲解をただし「日本観」再構築

『ニューズウィーク日本版ペーパーバックス なぜ日本は誤解されるか』

日中、日韓の関係悪化は、従軍慰安婦や靖国参拝、南京事件などの歴史問題が第三国との首脳外交の場に持ち出されるという異常な事態となっている。だが、阪急コミュニケーションズの『ニューズウィーク日本版ペーパーバックス なぜ日本は誤解されるのか』(編・ニューズウィーク日本版編集部、1080円)は、中韓2カ国に限らず、欧米も含む世界の国々から日本がたびたび誤解されてきたことこそ、より大きな問題ではないかと問いかける。なぜ色眼鏡で曲解されるのか、その理由を探り、もう一度、「日本観」を再構築する作業が必要と指摘する。

最終章の「世界に誇る日本の底力」では、ハイテクトイレ、おもてなし、温室効果ガス観測技術衛星、iPS細胞、地雷撤去などをあげ、「世界を変えた革新的アイデア」として評価している。もっと自信を持って世界にPRすべき、ということか。

しなやかな日本文化が地球を救う

『日本人らしさの発見 しなやかな〈凹型文化〉を世界に発信する』

「21世紀は日本の世紀であるべき」というのが著者の主張の眼目である。大修館書店の『日本人らしさの発見 しなやかな〈凹型文化〉を世界に発信する』(著・芳賀 綏 、2160円)は大戦後の東西冷戦が終わり、アメリカの一極支配に陰りが見え、地球規模で環境破壊が進む今こそ、日本の出番と説く。

著者によれば、文化には〈凸型〉と〈凹型〉とがある。〈凸型〉は他者を思うままに支配しようとして、対立と闘争、征服と復讐を繰り返し地球環境を破壊してきた。これに対し、〈凹型〉は人も自然もすべて包み込むしなやかさを持つ。地球の危機と人類を救うのは〈凹型〉であり、〈凹型〉文化に根ざした日本人が自らの気心のよさと美風を自覚し、その価値を世界に発信していくことが求められているという。