かんたんなクイズです。

「テーブルの上にA、K、4、7と書かれた4枚のカードが置かれています。カードの裏にも、同じようにアルファベットと数字が書かれています。このとき、“母音の裏には必ず偶数がある”というルールが成り立っているかどうかを確かめてください。ただし、カードは2枚しかめくれません」

 この問題は、論理学の対偶を知っているとすぐに解けます。“PならばQである“という肯定式と、その対偶である“QでないならばPでない”という否定式は常に真偽が等しいはずです。「表が母音なら裏は偶数」の対偶は、「表が奇数なら裏は子音」ですから、母音の“A”で肯定式を、奇数の“7”で否定式を調べてみればいいのです。

 では次のクイズです。

「あなたは居酒屋の店員で、4人の若者がビールとコーラを飲んでいます。若者は胸に番号札をつけていて、あなたは手元の名簿で彼らの年齢を知ることができます。このとき、店長から“未成年者に酒を飲ませてはいけない”といわれたらあなたはどうしますか?」

 これは、すこし考えれば誰でも正解にたどり着けるでしょう。ビールを飲んでいる客が成人しているかどうかを調べ、名簿にある未成年がなにを飲んでいるかを確認すればいいのです。コーラを飲んでいる客の年齢を調べたり、成人している客の飲み物をチェックしてもなんの意味もありません。

 ところでこの2つは、実はまったく同じ問題です。“ビールを飲んでいいのは20歳以上だけ”という肯定式の対偶は、“20歳未満ならビールを飲んではならない”という否定式ですから、ビールを飲んでいる客の年齢と、20歳未満の客の飲み物を調べればいいのです。

 しかし「居酒屋問題」に即答できるひとも、抽象度の高いクイズには戸惑います。これは私たちが、同じ問題を別の方法で解こうとしているからです。

「居酒屋問題」は、“ビールを飲んでいいのは20歳以上だけ”という掟があり、それに違反している者を見つけるというゲームです。私たちは論理学や対偶などなにひとつ知らなくても、このような「裏切り者」をたちまちのうちに探し出すことができます。

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