「一運、二金、三度胸」を持つ大人向けR指定コーナー。ここでは思惑株、裏ネタなどハイリスクな情報を凝縮した。兜町をさまよう黒い噂、その真相は...。株ビギナーと心配性の人は読まないでね!

 日立製作所がグループ企業の日立マクセルの再上場を決めた2月、株式市場では「日立は思い切ったことをやる」と、感嘆とも批判ともつかない言葉が飛び交った。

 日立マクセルは2010年3月、日立製作所が完全子会社化し、上場廃止となった経緯がある。しかし、上場廃止後は経営改革に成功して最高益を達成するまでに成長し、晴れて株式市場に再デビューすることになった。

 日立は再上場したマクセル株式の3割程度を保有する意向だという。子会社ではなくなるが、持ち分法適用会社として連結決算に利益が反映されるので、日立はグループ内にまたひとつ上場会社を抱えることになる。日立がこれまで親子上場解消の流れに沿ってグループ企業の整理・統合を進めてきたことを考えると、マクセル再上場はこうした動きに逆行するものと受け止められる恐れがある。

 海外勢を中心に資本政策のブレを嫌う機関投資家は多い。日立は上場グループ会社を増やしたいのか減らしたいのか、丁寧な説明が必要になりそうだ。かつてマクセルを上場廃止にしたとき、日立は「迅速な経営判断が狙いだ」と説明したが、再上場との整合性をどう確保するのか見ものである。

郵政子会社上場は遠のいている?
 
 日本郵政グループの上場戦略に不透明感が強まっている。中期経営計画で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の上場メドが明示されなかったためである。

 ゆうちょ銀行は個人向けと大企業向け融資の解禁を求めている。しかし、民業圧迫を警戒する民間金融機関の強い反発に加え、TPP加入による日本の金融自由化を望む米国への配慮からか、政府の動きは鈍い。

 郵政民営化を成功させた小泉純一郎元首相の影響力低下も不透明要因である。小泉氏は東京都知事選で脱原発を訴える細川護煕元首相を推したが敗れ、政官財への影響力を失った。小泉氏の決めたことには手を出せない雰囲気が自民党で強かったが、小泉氏の影響力低下で郵政民営化の在り方自体が揺らいでくる可能性さえある。

 日本郵政が主要事業とする郵便業務は電子メールの普及や宅配業者の台頭で衰退が懸念される。このままでは、郵便事業の赤字を金融など他部門の黒字で埋める形になる可能性がある。そうなれば、海外投資家は日本の構造改革を疑問視し、日本株売りの火種となりかねない。

この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。