なんとか1万4000円を割らずに切り返してきた 日経平均。企業業績は順調なのだから、 このまま緩やかでいいので戻してほしい...。不安定な地合いが続く中で、頼りになるのは やっぱり材料株。今月もたっぷりどうぞ!

 いよいよ17年ぶりに消費税税率が引き上げられ、8%になりますね。そもそも2012年の野田政権時代、支持率低迷中にもかかわらず消費税増税法案は提出されました。同年6月、民主党、自由民主党、公明党の3党の実務者間で「社会保障・税一体改革に関する確認書」が交わされ、国民の意思を無視した形の3党合意で決定した消費増税。

 過去の政権時代に決まったことを遂行するだけといった雰囲気が漂っています。安倍首相の懐が痛まない格好に物事が進んでいることに不思議さを感じますが、国民が選んだ政治家が決めたことは国民の声でもあると言われてしまえばそれまで。増税に伴う値上げは電車賃やATMの手数料にまで及び、私たちの生活を直撃するのは必至です。

 銀行系シンクタンクの試算によると、増税に伴う家計負担は年収300万円未満の世帯で平均5万7529円、年収1000万円以上の世帯で平均14万2174円も増加するとのこと。ワイドショーを見ていると、とにかく消費者の悲鳴という内容しか聞こえてきませんが......。本誌読者はもちろん、投資をしていると違う見方ができる人も多いのではないでしょうか。

 消費税導入時の1989年と、3%から5%に税率がアップした1997年はどんな年だったのでしょう。1989年は日経平均株価が最高値をつけた後にバブルが崩壊した年。1997年は同年11月に山一證券が自主廃業を発表。ほかにも拓殖銀行破綻などの“日本版リーマン・ショック”が起こっています。

 消費税増税のせいで株価が下がるという意見ももちろん否定はしませんが、ほかにもネガティブ要因が山積みな年でした。増税実施から1カ月後の株価を検証してみると、実は両年とも株価は上昇しています。駆け込み需要と、その反動が景気に影響がないとはいえませんが、増税と株価は100%連動している、とは言い切れないような気がします。あまり神経質になるのは不毛かもしれませんね♪

若林史江(わかばやし・ふみえ)
株式アドバイザー、徳山大学経済学部特任講師

この連載では経済を背景に移り変わる金融用語を、できるだけわかりやすく紹介していきます♪



この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。