2年前5万円株、今は株価4.7倍に!ドリコム(東証マザーズ・3793)
『パズドラ』で株価200倍増のガンホー、『魔法使いと黒猫のウィズ』で倍増のコロプラに続き、業績低迷のミクシィも『モンスターストライク』のヒットで昨年末に株価8倍増を達成。一発逆転も狙えるSNSゲーム株攻略は、当事者のゲーム会社から学ぶのが一番。急騰を察知するコツを伝授!

『フルボッコヒーローズ®』の「フライングゲットガチャ」が大人気!

『陰陽師』など安定基盤があるから冒険できる

 社長の内藤裕紀さんが京都大学の学生時代に立ち上げ、ブログサービスが成功して上場したドリコム。現在はSNSゲームが売り上げ、利益の大半を占める、有力スマホゲーム会社へと変貌した。

 2014年3月期予想の売上高は前期比11%減の75億円、2億円の純損失。同社初のフルネイティブアプリ『ファンタジスタドールガールズロワイヤル』が成績不振に終わった影響が大きい。とはいえ、今年1月27日リリースの『フルボッコヒーローズ®』の滑り出しは絶好調。バンダイナムコHDがリリースする『ワンピース』『ジョジョの奇妙な冒険』関連のIP(知的財産)ゲームの開発も手がけており、期待大だ。ドリコムの後藤英紀さんに聞くと、「当社のゲームの中では、ブラウザー系で34〜37カ月運営の『ちょこっとファーム』『陰陽師』『ビックリマン』の3タイトルがしっかりしたユーザー基盤を築き、安定した収益源になっています。この3つがあるからこそ、国内向けタイトルの『神縛のレインオブドラゴン』など、全世界に向けたネイティブ系アプリにも挑戦できるんです」とのこと。

 今春には『ファンタジスタドールガールズロワイヤル』に続いて、アニメ作品をモチーフにした『ノブナガ・ザ・フール』もリリース予定。
「『ワンピース』『ジョジョの奇妙な冒険』はあくまでバンダイナムコさんが配信主体で、われわれは一協力会社という立場。『ノブナガ・ザ・フール』も他社との共同開発で幅広いコンテンツを提供しています」と後藤さん。

 SNSゲームを手がける企業は多いが、独自開発のネイティブアプリまできちんと作れる余力がある会社はごく少数。さまざまなジャンルで多くの企業と協業しながらコンスタントに新作ゲームを出せるのが、ドリコムの強みだ。「もちろん、SNSゲームというのは、これぐらいの数字を取ります、という予測が非常に難しい世界です。一般的に指標として重要視されているのは、『DAU』と『ARPPU』と『課金率』。DAUはデイリー・アクティブ・ユーザーのことで、継続的にゲームで遊んでくれるユーザーさんのこと。ARPPUは、アベレージ・レベニュー・パー・ペイド・ユーザーの略。課金ユーザーさんが平均でどれぐらいのお金を使ってくれるかを示す指標です。ただ、いずれも日々刻々と変化しています」

 株式投資においても、各ゲームのDAU、ARPPU、課金率がどのくらいか、ネットなどで情報検索してみると有望株を探せるかもしれない。「コンプガチャが全盛のころは、1つのガチャのコンプリートに万円も使わなければならないゲームもあったようです。こうした課金姿勢はまるで焼き畑農業で、ユーザーさんも継続してゲームをしてくれません。当社は、多くの人に長く継続して楽しんでもらう主義です」

業界初の事前登録制が大反響で株価も急騰!

 SNSゲームの寿命は1年といわれる中『ちょこっとファーム』や『陰陽師』『ビックリマン』の息の長いヒットには業界も注目。

 「『ちょこっとファーム』は2011年1月のリリース以降、丸3年が経過しましたが、100万人を大きく超え、いまだにユーザー数が増えています」と後藤さん。

 ネイティブ系では、昨年12月にリリースした『フルボッコヒーローズ®』がIOS版だけで事前登録件数が35万件を突破。そのきっかけになったのが、リリース前に事前登録すると「フライングゲットガチャ」でレアアイテムがゲットできる仕掛けだ。この取り組みのおかげでiOSとAndroidの合計事前登録件数48万の快挙を達成。その躍進を好感して、株価も1月下旬にかけて20万円台から40万円台まで倍増した。

 このことからも、新作ゲームの評判をネット上で丹念にリサーチすることが、SNSゲーム株の急騰をものにできる最短コースなのがわかる!「フライングゲットガチャは現場のアイデアから生まれたものです。ゲームを始める前から何度もガチャを引いて強くなっていれば、開始前から愛着を持っていただくことができます。実際に、その後も長く続けていただいております」と後藤さん。

 ユーザーがストレスを感じない程度に時間とお金のコストを増やす工夫を凝らせば、SNSゲーム大ヒット=株価急騰の鍵を握るリピート率を上げられるのだ。

後藤英紀(ごとう・ひでき)
ドリコム 上席執行役員、経営管理本部長

大和総研、IT関連の調査・コンサルティング会社を経て、2000年にドイツ証券入社。2004、2005年、IT・インターネット部門人気アナリスト調査(日 本経済新聞社)で1位を獲得。投資銀行本部を経たのち、その手腕を買われて、ドリコムに転進。

内藤裕紀(ないとう・ゆうき)
ドリコム 代表取締役社長

1978年生まれ。2001年、京都大学在籍中にドリコムを設立。ブログサービスで成功し、2006年に上場。 2009年にソーシャルアプリに参入。以降、SNSゲームの新境地を切り開き、急成長中。




この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。