6本脚の子羊。画像は英紙『デイリー・ミラー』電子版のスクリーンショット

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イングランド北西部ののどかな牧場で、先ごろ6本脚のヒツジが誕生した。牧場主は今、そのヒツジの繁殖を真剣に試みており、世界中の専門家が関心を示しているとのこと。食用部分が多いとはいえ、その判断は正しいのであろうかと物議を醸している。

こちらの画像は1日、英紙『デイリー・ミラー』電子版が報じた記事のスクリーンショットである。男性は英チェシャー州のワットクロフトで「Riverside Organic」という牧場を営んでいるベネット・ファミリーの一員だが、彼が抱っこしている子羊には脚が6本生えていることにご注目頂きたい。

牧場主のサイモン・ベネットさんはかねてから“オーガニック”を売りにしており、外部の専門組織に遺伝子組み換え操作をお願いしたこともなく、6本脚は突然変異による奇形であった。しかし獣医から「健康にはなんら問題がない。むしろ引き締まっている」とお墨付きをもらってからというもの、一家は真剣にこうしたヒツジを繁殖させ、市場にどんどん出すことを考えるようになったという。何しろ肉質も完璧で、食べられる部分や刈る毛が多いというのは生産者から見れば願ってもない話なのだ。

イギリスの食肉家畜生産者で組織される「British Livestock Society」の広報担当者も、「この子羊について多角的な健康診断を行い、市場に出しても安全であることが判明しました」と話している。現在、多数の動物学や遺伝子学の専門家、獣医、そして牧場経営者らが高い関心を示しており、結果次第ではその繁殖プログラミングの実用化を真剣に検討するそうだ。ベネットさんの牧場では、現在も2頭の赤ちゃんが6本脚で生まれてくると期待されており、“カップケーキ”、“スプリンクルズ”とすでに名前も決めて出産を待つばかりとなっている。

遺伝子組み換え食品について様々な是非論が飛び交って久しいが、遺伝子が突然変異を起こして6本脚となったヒツジがいつしか主力商品と化し、食肉市場に出回りそれが人々の口に入るとはなんとも恐ろしい話ではないか。

このように、にわかには信じ難いこのニュース。ここで種明かし。昨日4月1日は世界中のメディアで様々なエイプリルフールのためのびっくりニュースが飛び交ったが、これもその一つ。

ただ、「なーんだウソだったのね」と安心してばかりもいられない。もし本当に「肉質も完璧で、食べられる部分や刈る毛が多い」6本脚のヒツジが誕生したら…。人間は欲深いものである。それらを繁殖させようという試みが行われても不思議ではない。

このびっくりニュースには、生命における人間の越権行為に対する警告の意味が含まれている気がするのだがいかがだろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)