2年前10万円株、今は株価6.5倍!エイチーム(東証1部・3662)
『パズドラ』で株価200倍増のガンホー、『魔法使いと黒猫のウィズ』で倍増のコロプラに続き、業績低迷のミクシィも『モンスターストライク』のヒットで昨年末に株価8倍増を達成。一発逆転も狙えるSNSゲーム株攻略は、当事者のゲーム会社から学ぶのが一番。急騰を察知するコツを伝授!

ネイティブ系、グリー向けで安定収益を得て、今期中にLINEのゲームをリリースしたい

ネイティブ系、グリー、LINEの3本柱が強み

 名古屋に本社を置くエイチーム。700万ダウンロードのネイティブ系カードバトルゲーム『ダークサマナー』が有名。昨年月にはLINEのグループ会社・韓国NHNエンターテインメントとの資本提携を好感し、株価は4倍高まで急騰した。ゲームだけでなく、「引越し侍」「ナビクル」「すぐ婚navi」など比較サイトも手がけ、安定黒字経営で、前2013年7月期からは配当も実施。

 そんな時価総額600〜700億円の会社を率いるのは創業者で社長の林高生さん。「当社のゲーム事業はプラットフォーム別に3本の柱で構成されています。1つ目はグリーさんと行なうSNS向けゲーム。2つ目はNHNエンターテインメントさんと行なうメッセンジャーソフト向け。加えて、自社開発のネイティブ系になります。最初の2つは、グリーさん、NHNエンターテインメントさんと費用を分担し、当社がゲーム開発を行なってレベニューシェア(利益分配)をいただくビジネスモデルなので、ローリスク・ミドルリターン。最後のネイティブものは開発費も100%自社持ちなので、ハイリスク。3本柱をバランスよく使い分けている点が、他社さんにはない当社の強みと考えています」

 ブラウザ系ネイティブアプリ系の構図については「、おもしろいゲームが作りやすいという点では、ゲーム性が高いネイティブ系が優位といえるでしょう。ただ、ブラウザ系はゲームを立ち上げた後もブラウザの側を日々更新・改善できる点が開発側にとって便利ですね」

 たとえば、稼ぎ頭の『ダークサマナー』は、日々の改善・更新を重視し、アプリの中にブラウザを取り込んだハイブリッド型になっているという。「最近のゲーム事業の売上高は月商約5億円です。『ダークサマナー』、競馬ゲーム『ダービーインパクト』、ギルドバトルRPGの『レギオンウォー』の3つが各1〜2億円規模、その他はグリーさん向けに開発を担当した『AKB48ステージファイター』の収益やガラケー向けサイト、ツール系アプリなどです。2014年7月期中には、資本提携したNHNさんと共同で、LINE向けカジュアル系ゲームをぜひリリースしたい」と語る林さん。

 LINEゲームで人気の『LINEポコパン』の規模を考えれば、広く浅く課金するだけでも巨額の売り上げ、利益を狙うことができる点が魅力といえるだろう。

SNSゲームのCМ戦略はコロプラが上手

 SNSゲームの場合、「テレビCM=大ヒット作」というイメージがあるが、どうなのか?

 「当社も、2013年2月に『ダークサマナー』のCMを打ちましたが、タイミングが難しいですね。すでに潜在的なユーザー層が残っていない段階でCMを打っても意味がないし、早すぎて開発が間に合わなかったら元も子もありません」

 これについて社長室長の光岡さんは「そういう意味では、リリース直後の早い段階で『軍勢RPG蒼の三国志』のCMを打って大成功したコロプラさんのCM戦略は見事です」と話してくれた。

 テレビCM=大ヒットとは一概に言えない点は投資家としても注意したいところ。「今後のソーシャルゲームでは、レベルファイブさんの『ワンダーフリック』のように、ゲーム機でもパソコンでもスマホでも同時に遊べるようなメディア横断型が主流になると思います。さらに、ゲーム機のようなハードウエア自体がアプリ化されて、さまざまなメディアで動かせる時代が到来するはず。レゴブロックにCPUやセンサーを搭載して自作ロボットが作れる時代。そこにソーシャルの要素を付加するのは簡単。そう考えると、ウエアラブル端末から家電機器まで、カテゴリーもどんどん広がっていくでしょう」

林高生(はやし・たかお)
エイチーム 代表取締役社長

岐阜県生まれ。11歳のときからプログラミングを始め、中学卒業後、高校・ 大学には進学せず、学習塾経営やプログラマーとして活動。1997年、25歳 でエイチームを起業。社長とは思えない気さくで飾らないスタイルに感動!