増税後も価格が下がるぞ!?格安SIMはいつが買いどきか

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筆者が常日頃思っているのが、「スマートフォンのパケット定額は高いなあ」ということ。4月より消費税が8%に増税され、この気持ちはさらに強くなった。自宅や会社でWi-Fi環境が使えると、パケット通信を利用するのは主に移動中。当然、メールやSNSの利用が中心となる。そうなると気になるのはケータイ各社のパケット定額プランだ。

各社のプランにもよるが、月間3Gバイトから7Gバイトまで高速通信が利用でき、料金はおおよそ4,000円〜6,000円というのが一般的だろう。それに対して最近人気があがっているのが月額の通信料金が安い「格安SIM」と呼ばれている契約である。こちらもプランによるが月間の通信量が数百Mバイト〜1Gバイト程度まで高速通信が利用でき、維持費は1,000円未満というのが一般的である。

なお、筆者は頻繁にSNSをチェックや投稿するユーザーであるが、1か月で約1Gバイトしか使わなかった。つまり、使い方にもよるが、移動中にメールやSNSの利用が中心であれば格安SIMでも良いのではないだろうか。


Androidスマホであれば通信量は「設定」→「データ使用量」より確認できる


●格安SIMは定期的に料金を変更している実は、そもそも安価な高速パケット通信を利用できる「格安SIM」は、定期的に料金を変更していることをご存知だろうか。
大手MVNO事業者の格安SIMの昨年春ごろの価格と比較してみる。



※プラン、価格は2014年4月1日現在
※OCNモバイルONE 30MB/1日コースは2014年4月1日以降50MB/1日コースに名称変更
※表枠内の上段は料金、下段は高速通信できる容量
※表内は全て税別

上記の表を見て欲しい。赤い太字の部分は昨年春と比較して条件が良くなっている部分である、簡単にいえば、昨年春と比較して料金が安くなっている、もしくは高速通信できる容量が増えている、またはその両方ということだ。
こうした条件の改善の理由としては、昨年暮れ〜今年初頭にかけて他社同様の格安SIMを投入してきた事業者も増えたことから、競争が激化していると推察できる。このことからも、格安SIMの料金設定はおおよそ半年から1年のスパンで見直されているということがわかる。

●もしかして格安SIMは下げ止まり? その理由とは
実は、ここに意外な事実がある。大手MVNO事業者のうち、OCNやBIGLOBEは4月1日の消費税増税前よりも、増税後の料金にほうが安くなっている。つまりこういうことだ。
2014年3月まで
934円/月(税込980円)

2014年4月1日以降
900円/月(税込972円)
である。なぜか消費税増税後のほうが安くなっているのだ。


消費税増税のタイミングで値下げしつつ利用できる通信量も増えた「OCNモバイルONE」
※パッケージは2014年3月のもの


さらに注目すべきは1か月で利用できる高速通信の量。おおよそ900円で1Gバイトというのが安定相場になりつつあるようだ。理由としては、ケータイキャリアのデータ通信契約の価格設定が関係している。
例えばNTTドコモの「Xiデータプラン ライトにねん(Xiデータプラン ライト割も加入)」の場合、月額3,791円(税別)で高速通信容量が3Gバイト/月となる。3Gバイトで約3,800円。

少々乱暴な計算ではあるが、1Gバイトあたり約1,264円程度となる。つまり、MVNO事業者の料金は、すでに通信網を貸し出しているケータイキャリアよりも安くなっており、これ以上の大幅値下げをするメリットがないと想定されるからだ。
ただ、今後もMVNO事業者間での価格競争は激化が予想されるため、料金の見直しは継続される可能性が大きい。

●格安SIMの買い時は、今なのか?
定期的に料金設定を変更する格安SIMはいつが買い時なのだろう。それは「いま」である。
これも単純な理由であるが、料金見直しをされた直後の方がお得感が大きい。さらに、今後、料金改定が入った場合、既存契約者も適用される。

したがって、「悩んでいる人は、早くはじめたほうが得」という結論になるのだ。
こうなると残る気になる点が、解約時の契約解除料金だ。ケータイキャリアとのデータ通信契約は2年ごとの契約で、途中解約の場合は約1万円弱の契約解除料金が発生してしまう。しかし格安SIMは長くても最大で2か月〜5か月契約すればよい。もし必要なくなれば、早期に解約できるので負担も増えない。

「料金が安い」、「解約時の負担が少ない」ということで、ケータイ契約の中でも非常に「試しやすい」契約のひとつと言っても良いだろう。


値下げのお知らせを記載するBIGLOBE LTEプランページには、「契約解料なし!」の文字も


ガラケー(フィーチャーフォン)と上手に組み合わせることで、スマートフォンとの2台持ちで2,000円以下の利用も可能な「格安SIM」。もし買おうかな、どうしようかなと考えているのであれば、消費税が増えたこの時期にこそ導入して家計を助けてみてはいかがだろう。

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布施 繁樹