スマホ裸族も満足?「液晶保護ガラス」の特徴とメリット

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スマートフォンの修理でもっとも多いケースが液晶ディスプレイパネルの破損と言われている。液晶画面の大型化や峡額縁の採用などに、ディスプレイパネル破損のリスクは今後も増加しそうだ。

常に持ち歩くスマートフォンのディスプレイは破損だけでなく、擦り傷などがつきやすい。こうした問題の対策として長らく使われてきたのが液晶保護シートだ。

液晶保護シートは、安価で手軽な方法だが不満も多い。1つは、擦り傷がつきやすく、しばらく使うと交換が必要となること。もう1つが、貼る際に気泡ができやすく、なかなかキレイに貼れない点だ。さらに、貼った後のタッチ感や操作性が鈍くなる。

こうした不満を解消したと評判が高いのが、最近話題の「液晶保護ガラス」だ。
しかし「液晶保護ガラス」は、液晶保護シートに比べて価格が約2千円以上とかなり割高感がある。「液晶保護ガラス」の特徴やメリットもまだ浸透していないこともあり、それだけの金額を払う価値があるのか?と購入を悩む人も多いようだ。

そこで「液晶保護ガラス」について調べてみよう。


色々なメーカーから発売されている液晶保護ガラス


●スマホの画面より硬い「液晶保護ガラス」
「液晶保護ガラス」は、薄い強化ガラスをスマートフォンのディスプレイに貼り付けることで、液晶ディスプレイパネルを擦り傷や破損から守るアクセサリーだ。

「液晶保護ガラス」の特徴は、スマートフォンのディスプレイパネルより傷が付きにくい硬さ。この硬さにより保護フィルムより高い耐久性を実現している。その上、保護フィルムのように装着後のタッチ感が低下することも少ない。


液晶保護ガラスを貼ったNexus5


●「液晶保護ガラス」はどれくらい硬いの?
「液晶保護ガラス」には、「8H」や「9H」という表記がされている製品がよくある。これは、鉛筆(三菱ユニ)の芯の硬度を測定したJIS規格の数値。つまり、「液晶保護ガラス」の表面は「8H」や「9H」の鉛筆と同じ硬度であるということを表している。ただ「8H」や「9H」の鉛筆でも表面に傷がつきにくいという目安なので、傷がつかない保証ではない。また、「液晶保護ガラス」自体の物理的な堅さ(割れにくさ)ではないので注意しよう。

とは言え、「液晶保護ガラス」の表面に傷がつきにくいことには変わりはない。ためしに手元にあったドライバーで軽く引っ掻いてみたが、表面に傷はつかなかった。
※記事のための実験ですので真似はしないでください。


ドライバーなどでも「液晶保護ガラス」は表面に傷がつきにくい
※記事のための実験ですので真似はしないでください


●「液晶保護ガラス」には、2種類ある?
一般に「液晶保護ガラス」と言われている製品には、2種類あるのをご存知だろうか。1つは「ガラス素材」を採用した製品。そしてもう1つが「硬化フィルム」を採用した製品だ。

後者の「硬化フィルム」を採用した製品は、ガラス素材を使用してないわけだが、硬度が「ガラス素材」を採用した製品と同等なことから、同じジャンルの製品として販売されているようだ。特徴もガラス素材の製品に比べて薄く、扱いやすい。また手触りに若干の差があるとも言われている。

●「液晶保護ガラス」にも弱点はある
ディスプレイパネルの保護には効果が高い「液晶保護ガラス」だが、意外な落とし穴もある。

その1つが耐衝撃性だ。一般に「強化ガラス」は「衝撃に強い」と思われがちだが、表面の傷に強いからといって衝撃に強いというワケではないのだ。そもそも耐衝撃性とは、ガラスの厚みに比例する。薄い素材であるシートタイプの「液晶保護ガラス」に高い耐衝撃性を求めるには少し無理がある。しかし、少しでも落下などの衝撃から液晶を守りたいという場合は、厚みのある製品を選ぶとよい。

もう1つが、ディスプレイに貼る作業だ。
「液晶保護ガラス」は、保護フィルムのような柔軟性が無い。このため、曲りに弱く、無理に曲げると割れる可能性がある。また、この性質から保護フィルムのように一度貼ると剥がして貼り直すことができない。貼る際は、パネルの埃を念入りに取り除いて貼り付けるようにしよう。
逆に、「液晶保護ガラス」のメリットとしては、貼り付けた後に空気の気泡が発生しても自然に消えるケースが多い点があげられる。保護フィルムのように気泡に気を使わなくてすむのはうれしい点だろう。

あと、ケース利用時の注意もしておこう。「液晶保護ガラス」は、正面からに圧力には強いが、横からの圧力には弱い。縁に圧力がかかると割れる可能性がある。ケースを使う際は、「液晶保護ガラス」の縁とケースが直接接触しないように注意しよう。

●なぜ、スマホに「液晶保護ガラス」は必要なのか
スマートフォンのディスプレイパネルには、もともと保護のため硬度の高い強化ガラスが採用されている。強化ガラスは、ガラス表面に特殊な層を作ることで強度をあげている。強化ガラスは、プラスチックの数十倍、硬貨などよりも硬く、手で操作するくらいでは傷はつきにくい。

では、強化ガラスを採用しているスマートフォンに、「液晶保護ガラス」は不要なのでは?と思う人もいるだろ。しかし、そうではない。強化ガラスの特殊な層が傷つき強度が低下する、また細かい傷が付け増えて限界値を超えれば、ある日突然パネルが破損してしまうというケースもあるのだ。

「液晶保護ガラス」は、スマートフォン本体のディスプレイパネルを傷から守り、強度低下と破損を長期間防ぐことができるのだ。

保護フィルムは、1枚1,000円前後とリーズナブルだが、定期的に張り替えが必要なことで、ランニングコストはかかる。そもそもパネルを守るには硬度が足りないうえ、操作性や視認性も低下するのも事実だ。
一方、「液晶保護ガラス」は保護フィルムより価格は高いが、強度も耐久性も高く、一度貼れば、破損しない限り貼り替えの必要はなく、ランニングコストは低い。なにより長期間にわたり視認性と操作感を維持してくれる点は。使い勝手の面で大きなメリットだと言える。

ディスプレイパネルは、傷がつけば元には2度と戻せない。また、放置していれば傷が付く可能性は拡大する一方だ。

「貼り替えが面倒」、「使い勝手が落ちる」といった理由だけで保護フィルムを敬遠していたスマホ裸族の人も「液晶保護ガラス」なら満足できるのではないだろうか。

傷ついてから貼るのでは遅すぎるのだ。「まだ貼ってない」という人はこの機会に是非、検討してみてはいかがだろうか。

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甲斐寿憲