なんとか1万4000円を割らずに切り返してきた 日経平均。企業業績は順調なのだから、 このまま緩やかでいいので戻してほしい...。不安定な地合いが続く中で、頼りになるのは やっぱり材料株。今月もたっぷりどうぞ!

 6月にかけて有力企業での社長交代が相次ぐ。株式市場は安定より変化を求めるものだ。これまでのデフレ不況期とは違った経営判断が求められる局面だけに、トップ交代が経営の方向転換を社内外に印象づけるうえで絶好のチャンスとなる企業が多いだろう。

 今年の社長交代のトレンドをひと言で表せば、円満な交代。業績悪化局面では、赤字・無配に伴う引責辞任や取引先銀行などの圧力による経営陣刷新が多くなりがちである。不祥事の後始末で社長の椅子を追われるケースも珍しくはない。しかし、今年はアベノミクス始動後の円安などから業績が上向いてきた企業が多く、過去最高益更新や大幅増益を花道に一線を退く経営者が多いようだ。

 好業績下で後を任される新社長は、会社の成長に向けて「冒険」が可能になる。成長分野への積極投資や不採算事業からの撤退は、経営的に余裕がなければ実行は難しいものだ。その点、今年の新トップは裁量の余地が大きく、株式市場の期待も高まりそうだ。

 注目企業は、9年ぶりの社長交代が内定している東洋紡。楢原誠慈次期社長(現・取締役)は社内の抵抗を押し切って繊維部門の縮小を進める一方、工業用フィルムや医薬品など高付加価値部門の強化を進めてきた人物だ。社長就任後は医薬品など収益部門の拡大を鮮明にしてくるとみられる。

 収益重視といえば、三菱電機も社長が交代する。新社長になる柵山正樹副社長は電力システム畑の出身だ。三菱電機は日立製作所などと同じく、社会インフラ事業に注力する姿勢を示しており、トップ交代を機に電力部門が会社の先頭に立って収益を上げる体制になりそうだ。

 「後始末」型では、日本マクドナルドホールディングスが注目される。同社は販売戦略の失敗から売上高の減少が続き、2期連続の減収減益決算に陥り、機関投資家の間からも店舗運営や商品構成に疑問の声が出ていた。新社長のサラ・カサノバ氏は中核事業会社の日本マクドナルドの社長兼CEO(最高経営責任者)で、メニュー開発の強化など原点回帰を強く打ち出している。デフレ時代の勝ち組企業の方向転換という大仕事に成功すれば、日本マクドナルドは再び黄金期を迎えるだろう。

新社長登場で激変する優良株5

銘柄名(市場・コード):東洋紡(東1・3101)
株価(売買単位):181円(1000株)
買い材料:9年ぶりの社長交代。液晶用フィルムや医薬品部門など多角化が進み 、 環境悪化に強い抵抗力を発揮。

銘柄名(市場・コード):三菱電機(東1・6503)
株価(売買単位): 1246円(1000株)
買い材料:山西健一郎社長が会長に就き、電力システム畑出身の柵山正樹副社長が社長に昇格する。

銘柄名(市場・コード):旭化成(東1・3407)
株価(売買単位): 733円(1000株)
買い材料:4月1日付で旭化成ファーマの浅野敏雄執行役員が社長に昇格する。収益部門からの登用だけに期待大。

銘柄名(市場・コード):マツモトキヨシホールディングス(東1・3088)
株価(売買単位): 3365円(100株)
買い材料:松本清雄副社長が4月1日付で社長に就任。規制緩和や消費増税後の買い控えなどに即応する構えだ。

銘柄名(市場・コード):日本マクドナルトホールディングス(JQ・2702)
株価(売買単位): 2695円(100株)
買い材料:レジカウンターでのメニュー表廃止などの迷走が続いてきただけに、社長交代による方針転換に期待が高まる。




この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。