いよいよ消費増税がスタートするが、前回1997年の消費増税時は、株価が半年で3割もの下落に見舞われた。しかしカブ知恵代表・藤井英敏氏によると、「前回増税はデフレ圧力の強い中で実施されたが、今とは金融政策の状況がまったく異なるので、今回は景気が悪化することなく株高が続くだろう」と分析している。それでは、どんな株に投資妙味があるのか。藤井氏が解説する。

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 1997年の株安局面では上昇した個別銘柄はほとんどなく、何を買ってもダメな状況だった。しかし、今回は違う。相場全体の上昇が見込めるのであれば、まずは指数寄与度の高い大型株でも十分なリターンが期待できるだろう。

 なかでも世界的に事業展開している輸出関連企業が牽引役となることは必至といえる。自動車や電機、精密機器といった輸出関連は円安の恩恵に加え、消費増税に伴う「輸出戻し税」もある。消費税法では海外の消費者からは消費税を徴収できないため、輸出企業は消費税を輸出価格に転嫁できない。そこで仕入れ時に支払った消費税が還付され、増税の影響を受けにくい仕組みとなっているのだ。

 また、日経平均に比べてTOPIX(東証株価指数)の出遅れ感は依然強く、主要構成銘柄である銀行株も注目しておきたい。政府が景気を下支えするための施策をとっている以上、増税による景気の腰折れ懸念よりも、財政健全化というポジティブな面が出てくることで相場が活気づくため、野村ホールディングスや大和証券グループ本社などの大手証券株にも上昇余地は高まるはずだ。

 このように消費増税で「買っていい株」がある一方、「買ってはいけない株」もある。増税後に駆け込み需要の反動が起こり得る不動産、家電量販店などは先行きに不透明感がつきまとう。ただし、同じような高額商品でも、内需ではなく外需で勝負できる自動車は別だ。

 加えていえば、ある程度の上昇は見込めるかもしれないが、「買うのはもったいない株」も挙げられる。

 1月からスタートした「NISA(少額投資非課税制度)」で高配当の医薬品株などが人気を集めている。それ以外にも、増税後の反動を意識して食品やトイレタリーといったディフェンシブ銘柄を選好する動きも高まりつつあるが、相場に先安感が強いならいざ知らず、株高トレンドが続く見込みがある以上、あえて手を出すのは実にもったいない話ではないだろうか。

※マネーポスト2014年春号