井上真央&綾野剛を湊かなえが絶賛!女もネットも恐ろしい【白ゆき姫殺人事件】
 デビュー作となった「告白」で本屋大賞を受賞し、小説界にその名を轟かせた湊かなえさん。その後、『告白』は中島哲也監督、松たか子主演で映画化。さらに「境遇」「夜行観覧車」etc.と湊さんの作品は立て続けに映像化されてきました。井上真央主演の最新映画化作品『白ゆき姫殺人事件』公開を前に、湊さんに単独インタビュー! 

<ストーリー>
 人里離れた山中で惨殺死体が発見された。被害者は化粧品会社の美人OL三木典子(菜々緒)。容疑者はその後、行方知れずになった同僚の城野美姫(井上真央)に。テレビディレクターの赤星(綾野剛)は、周囲の人々を取材。人々はみな、違う美姫像を語り出す。そして赤星がネットにツイートしたことで、情報は瞬く間に暴走し始める……。

◆映像化はご褒美 私が一番期待している観客です

――小説「白ゆき姫殺人事件」が生まれたきっかけを教えてください。

湊:映画の『告白』がヒットしていたときに、作品だけじゃなくて、メディアにもメディアを通した多くの方にも、私自身に対して興味を持っていただいたんです。知らない間に、近所の人とか地元の知り合いが取材を受けていて。それを知って、実はすごく怖かった(笑)。

 映画の原作者という、プラスの理由での取材なので、幸いみなさんも私について、いいことを答えてくださっていた。でもこれが何か事件とか悪いことだったら、何を言われるか分からないなと思って。自分をどんどん他人が作り上げていくコワさというものがあるなと思ったんです。じゃあ、普通の人がそうなっていく姿を描いてみようと。

――白ゆき姫というキーワードはどこから生まれたのでしょう。

湊:まず、女性同士のほうが噂話も出てくるだろうから、舞台は女性ばかりの職場がいいなと思いました。それから、ネット上でわ〜っと注目を浴びるのって、あだ名が付いたら一気に広がるじゃないですか。それで誰もが知っている女性で、同性からも憧れられるような容姿を持っていて、なおかつ女同士の表と裏の姿を匂わせるようなキャラクターということで、白ゆき姫かな〜って(笑)。

――生みの親として自分の作品が映像になるというのはどんな感覚なんですか?

湊:映像化というのはご褒美みたいなものだと思っているんです。自分が作った世界に、また違う角度からの視点で新しいものを見せてくださるので。自分の子供を、東京のエライ先生によくしてもらうんだよとかいう感じで手放す感じ。映画は監督のものだし、全部お預けしてます。丸投げ(笑)。私は出来上がりを一番期待している観客という感じなんです。

――丸投げにも決断はいると思いますが、今回、中村義洋監督にお任せして大丈夫だと思われたのは?

湊:普通、最初は企画書が届くものなんですけど、今回は企画書と一緒にDVDが付いてたんです。そこに10分足らずの冒頭の映像が入っていたんですよ。それが本当におもしろくて。こんな風に撮ってくださるんだとすぐにイメージできたし、早く続きが観たい!ってなったんです(笑)。

 実際、出来上がってみて、小説にはない場面もありましたが、とても原作を大事にしていただいているのが伝わりました。外からとってきたエピソードじゃなくて、この人たちならこういうこともあったかもしれないなとか思えるものだったので、すごく面白かったし、幸せでしたね。

◆田舎に住んでいてはできないと言われて火が付きました!

――映画版で特にお気に入りのシーンを教えてください。

湊:最後の車のシーンとか、あと夕子ちゃん(貫地谷しほり)とのシーン。あれも映像ならではですよね。あぁ、すごくいいなこの場面。私、書いたっけなって。なんだか書いているつもりになって探してしまいましたもん(笑)。