電車で切符とICカード、どちらがお得か?「きっぷの方が安い場合もある」

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まもなく8%に引き上げられる消費税。差し引き3%アップなので、1円未満の端数が出やすく計算がやっかいだ。

増税後の交通費はどうなるのか? 10円単位のきっぷに対してICカードは1円単位で清算されるのでお得に思えるが、なんと、きっぷのほうが安い場合がある。同じJRでも乗り降りする駅によって初乗り料金が異なるので、複雑怪奇な料金体系になりそうだ。

■複雑すぎる料金体系

電車賃などは内税のため、購入金額に消費税が含まれている。本体料金に変更がない場合、現行料金を1.05で割り、その結果を1.08倍すれば増税後の料金となる。当然10円未満の増額も有り得るが、ほとんどの自動販売機は1円/5円に対応していない。

そこで多くの交通機関は、ICカードなら1円単位、きっぷは10円単位で改訂されるのだ。

東京の山手線で計算してみよう。現在の初乗り料金は130円なので、税抜きなら123.80円、消費税8%を加えると133.71円となる。ICカードは切り捨てて133円なのに対し、きっぷは切り上げて140円に変更される。

税抜き価格と比べると、きっぷは16.20円アップとなるので、消費税に換算すると13%も払っていることになるのだ。

きっぷは損!と思うのも当然だが、話は単純ではない。JR東日本の場合、大別して2つのエリアがあり、料金と端数の処理方法が異なるのだ。エリア名と初乗り料金、きっぷの端数処理をあげると、

・幹線/地方交通線 … (現行)140円/(ICカード)144円/(きっぷ)140円(四捨五入)

・電車特定区間/山手線 … (現行)130円/(ICカード)133円/(きっぷ)140円(切り上げ)

となり、エリアによってはきっぷのほうがお得になるのだ。

この逆転現象はなぜ起きるのか? 原則は四捨五入なのだが、利用者が多い電車特定区間や山手線は、ごらんのようにすでに割引されている。加えてICカード利用率が8割を超えるため、「なるべくICカードを使ってね」の意味が込められている。

きっぷのコストもバカにならないのだ。

対して地方交通線は、利用者が比較的少ないエリアの意味で、きっぷが当たり前となる。割引もしていない「素」のエリアなので、原則通り四捨五入が適用されるのだ。

■お得なきっぷも存在する!

都営地下鉄では切り上げが原則のようで、これもICカードときっぷを比較すると、

・現行170円 … (ICカード)174円/(きっぷ)180円

・現行410円 … (ICカード)422円/(きっぷ)430円

となり、ICカードのほうが圧倒的に有利だ。

もっともお得なのはどれか? 言うまでもなく定期券で、同じく都営地下鉄の場合、通勤定期券を1か月のきっぷ代と比較すると、1か月定期は18.14往復/月、6か月分なら16.33往復/月となるので、決まった区間だけなら最強の安さだ。

アルバイトや習いごとなど、週1〜2回の利用ではどうなるのか? この場合は回数券が依然有利だ。10回分の料金で11枚のきっぷが標準的で、この時点で10%近い値引きだから、3%の増税も問題ではない。有効期限3か月が一般的なので、まとめて購入しておくのも良いだろう。

意外に安いには一日乗車券だ。都電も都バスも乗れる「都営まるごときっぷ」や、東京メトロと連携した「都営地下鉄・東京メトロ一日乗車券」は、4月以降も値段据え置きとなる。それぞれ700円/500円なので、片道350円/250円以上の区間なら、ICカードどころか回数券よりも安く利用できる。

■まとめ

・ICカードは1円単位、きっぷは10円単位で改訂される

・四捨五入か切り捨てかは、鉄道会社によって異なる

・JR東日本だけでも4つの路線、2つの料金体系があり複雑

・一日券などの特別なきっぷは、かなりお得

「ICカードのほうがお得」説は、残念ながらそう言い切れない結果となった。

鉄道会社によって値上がり/据え置きのポイントが異なるので、出かけるまえにチェックしよう。

(関口 寿/ガリレオワークス)