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「世界フィギュアスケート選手権大会2014」が26日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)で開幕した。29日までの4日間にわたり、氷上の熱戦が繰り広げられる。初日は男子シングルショートプログラムなどが行われ、ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦選手が登場。冒頭の4回転で転倒するシーンもあったが、その後は持ち直して91.24にまとめ3位発進となった。ただ、一部の女性ファンによる"過剰"な声援が見られ、ネット上で波紋を呼んでいる。首位はソチ五輪で5位入賞を果たした町田樹選手、2位はスペインの実力者、ハビエル・フェルナンデス選手となっている。

○4回転で転倒も、その後は持ち直す

「五輪金メダリスト」という肩書きを持って初めて臨んだ国際大会。19歳には少しプレッシャーがあったのだろうか。冒頭の4回転トゥーループでは、着地後にバランスを崩して転倒した。ただ、そのミスに動揺することなく、すぐに気持ちをリセット。続くトリプルアクセルと3回転ルッツ-3回転トゥーループのジャンプはきれいにまとめた。細く長い手足をめいっぱい生かした大きなスケーティングもさえ、芸術性を表す「プログラム・コンポーネンツ・スコア(演技構成点)」は全選手トップの45.50。五輪王者としての貫禄(かんろく)を示した。

○過剰な声援は「愛している人のやることではない」

一方、五輪王者の演技以上に注目を集める格好になってしまったのが、羽生選手の演技開始直前に一部ファンが叫んだ「ゆづ、愛してる〜」との声援だ。

演者が最も集中力を高めているであろう瞬間の"過剰"とも言えそうな声援に、ネット上でも「羽生選手はミスの原因を他人に押しつけたりはしないだろうけど、叫んだファンは羽生選手に良い演技をしてほしくはないのかな。演技前の集中は良い演技のためには大切だろうに」「応援してるならなお更そういう声援はやめたほうがいい。とうかやめてほしい」「愛してる人のやることじゃないね」(原文まま)などと、"マナー違反"とする声が多く挙がっている。

○町田樹がSP自己ベストで暫定1位、小塚崇彦は同6位

様々な意味で注目を集めてしまった羽生選手を押しのけ、この日の「真の主役」となったのは町田選手だ。冒頭の4回転トゥーループ-3回転トゥーループを鮮やかに決めると、高さのあるトリプルアクセルと3回転ルッツも危なげなく成功させた。映画「エデンの東」の調べに乗せた、のびやかでしなやかなスケーティングで観客を魅了すると、演技後は会場から割れんばかりの大歓声を浴びた。SPの自己ベスト(91.18)を大きく上回る98.21で暫定1位につけた。

また、右足のけがにより欠場を余儀なくされた高橋大輔選手に代わり、急きょ出場が決まった小塚崇彦選手は大きなミスのない演技で、85.54の暫定6位スタート。出場が正式発表されてからわずか3週間余りで、心と体を世界選手権に向けて備え、きっちりとまとめてきた。

羽生選手が五輪、グランプリファイナル含めた"三冠"を達成するのか、町田選手が金色の輝きを手にするのか。それとも、他の選手が逆転を見せるのか。男子フリーに注目だ。

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