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東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜〜金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-103円43銭となりました。

週明け17日(月)は4日続落でのスタートとなったものの、18日(火)には反発、19日(水)も続伸とプラスに切り返す動きを見せました。しかし三連休を控えた週末20日(木)は、200円を超える下げ幅となり、大幅に反落して一週間を締めくくっています。今週の高値は19日(水)の1万4663円54銭、一方、安値は17日(月)の1万4203円21銭。高安の値幅は460円33銭でした。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

17日(月)の東京株式市場は4日続落。前週末に米株安や円高が進むなか、16日(日)には、クリミア半島の住民投票が実施され、95%超がロシア編入を支持したことから、ウクライナ情勢を巡る警戒感から東京市場も売り優勢で始まりました。ロシアのクリミア編入の状況や、欧米の対ロシア制裁への出方を見極めたいとする向きが強く、不透明感が漂うなか、買い手控えムードが続きました。後場に入ると、日経平均株価の下げ幅は一時、120円を超える場面もありましたが、終盤は為替が円安に振れたこともあり、買い戻しが入るなか下げ渋る形で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、情報・通信のみ1業種が上昇。一方、不動産、建設、ガラス・土石、証券など32業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続落となっています。

18日(火)の東京株式市場は5日ぶりに反発。欧米によるロシアへの制裁が、政府関係者の渡航禁止など想定内の範囲に留まったことから米国市場が堅調に推移し、その流れを引き継いだ東京市場も買い戻し優勢で始まりました。過度な不安心理が和らいだことから幅広い銘柄に買いが広がり、日経平均株価の上げ幅は、序盤に一時、250円を超える場面もありました。ただ、ウクライナ情勢や新興国経済に対する警戒感が払拭されたわけではなく、夜にはプーチン大統領によるクリミア編入についての演説も控えていることから、その後は様子見ムードの展開となりました。取引のボリュームも含まらないなか、売買一巡後は伸び悩む形で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数ではでは全33業種が上昇。値上がり率上位はガラス・土石、情報・通信、医薬品、非鉄金属など。

日経平均株価、TOPIXともに5日ぶりの反発となっています。

19日(水)の東京株式市場は高安まちまちの展開となりました。ロシアのプーチン大統領が演説のなかで、ウクライナへの一段の介入には慎重である姿勢を示したことから、前日の海外市場が上昇。その流れを引き継いだ東京市場も、朝方から買いが先行し、前場の前半は堅調な展開が続きました。その後はFOMCの結果発表を前に様子見ムードが強まるなか、先物の動きに左右される乱高下の激しい流れへと一変。後場に入ると、序盤は軟調な動きで始まり、日経平均株価は一時、100円を超える下げ幅となりました。しかしその後、まとまった買いが入り始め、日経平均株価はプラスへと転換し上げ幅も、一時、250円を超える場面もありました。ところが、後半になると今一度、売りが優勢となり、結局、日経平均株価の値足は失速する形で大引けを迎えています。値下がり銘柄数が1000を超え、TOPIXはマイナス引けとなりました。

TOPIX業種別指数では医薬品、小売、不動産など10業種が上昇。一方、鉱業、電気・ガス、海運、証券、輸送用機器など23業種が下落。

日経平均株価は続伸、TOPIXは反落となっています。

20日(木)の東京株式市場は大幅安。FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文とイエレンFRB(米連邦制度準備理事会)議長の発言を受け、米国の利上げ時期が予想よりも早まるとの観測が台頭し、緩和マネーが縮小するとの見方から米国株式市場が下落。一方、為替はドル高・円安が進み、その流れのなかスタートした東京市場は、序盤は輸出関連株中心に買いが先行しました。ただ、買い一巡後は寄り付き前に発表された先週の対内株式投資(財務省)で、海外勢の日本株の売り越し額が1兆924億円と高水準だったことを今一度確認する形で、需給不安がじわりと広がり、下げ基調の展開へと一変しました。後場に入り、先物にまとまった売りが出始めると、仕掛け的な売りや3連休前の手じまい売りも重なり、結局、日経平均株価、TOPIXともに約1ヵ月半ぶりの安値をつけて大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では全33業種が下落。値下がり率上位はパルプ・紙、不動産、建設、電気・ガス、精密など。

日経平均株価は3日ぶりの反落、TOPIXは続落。

その後、20日(日本時間の夜)の米株式相場は大幅に反発しました。フィラデルフィア連銀が発表した3月の景気指標が市場予想を上回った他、2月の米景気先行指標総合指数も市場予想以上に上昇するなど、良好な経済指標を受けて投資家心理が改善し、株式市場に資金が流入しました。前日の大幅安に対する反動もあり、短期的な戻りを期待する買いも入るなか、ダウ工業株30種平均株価は100ドルを超える上げ幅(+108ドル88セント)で取引を終えています。

その後、米国市場の流れを引き継いだ21日(金)のアジア市場も上昇しました。韓国株式市場が堅調に推移した他、日本の投資家も常に注目してる中国市場も(本土市場の)上海総合株価指数も大幅反発。約4カ月ぶりの上げ幅を記録し、週間では+2.16%の上昇となりました。

香港株式市場でも、ハンセン指数が3日ぶりに反発。米国の経済指標が市場予想を上回ったことで、地合いが改善した上、前日に約8カ月ぶりの安値をつけていた割安感から好業績銘柄を中心に個別銘柄への物色買いが広がりました。売買代金は今年初めて900億HKドルを超え、大商いとなっています。

来週の予定です。24日(月)〜25日(火)にオランダ・ハーグにて核安全保障サミットが開催され、日米韓首脳会談が開かれる見通しです。国内では24日(月)から東証と大証がデリバティブ(金融派生商品)市場を大証に統合し、日本取引所がデリバティブの夜間取引時間を午前3時に統一します。また、中国では3月分のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値が発表となります。27日(木)には米国で2013年10月〜12月期のGDP確定値が発表されます。28日(金)には国内で、2月分の全国CPI(消費者物価指数)、完全失業率、有効求人倍率など、各種経済指標が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

○執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。

(鈴木ともみ)