「嘘をついてはいけない」とは、子どもの頃に教わることですが、大なり小なりの嘘をついてしまうのが人間というもの。早くは小学校の頃の仮病から。嘘と無縁の人なんてほんのひと握りではないでしょうか。また、大人になると「優しい嘘」たる言葉も登場し、私たちをますます混乱させます。

 そんな「嘘」ですが、どういった人がつきやすいのでしょうか。書籍『承認をめぐる病』の著者で精神科医の斎藤環氏は、「一般的な嘘つきは、米国の診断基準『演技性パーソナリティ障害』で確認することができる」と言います。以下に診断基準の一部を抜粋しますが、これらの項目のうち5項目があてはまれば、この診断がなされることになるようです。

・浅薄ですばやく変化する感情表出を示す。
・自分への関心を引くために絶えず身体的外見を用いる。
・過度に印象的だが内容の詳細がない話し方をする。
・自己演技化、芝居がかった態度、誇張した情緒表現。
・被暗示的、つまり他人または環境の影響を受けやすい。
・対人関係を実際以上に親密なものとみなす。

 いかがでしたでしょうか。当てはまる項目が多い人は要注意。

 斎藤氏の分析によると、「彼らは、他者からの『承認』を得るために、口から出任せの嘘をつき続ける」とのこと。嘘をつくということは、裏返すと、他者という聴衆があってこそ成り立つものなのです。

 嘘は自分の人生を滅ぼしかねません。嘘で身をかためてしまうと、佐村河内氏のような騒動になることも。他者に承認されたいと思った時は、もっと正攻法でいった方が、結局は自分のためと言えるのです。

「ひとつの嘘のためには、三十の嘘を用意しなさい」とは、サルヴァトーレ・ワコンの言葉。三十もの嘘を用意するくらいなら、正直に生きたほうが楽なのではないでしょうか。



『承認をめぐる病』
 著者:斎藤環
 出版社:日本評論社
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