西表島にある沖縄県最大の河川・浦内川の上流にあるマリユドゥの滝は日本の滝100選に選ばれる滝で、さらにその上流にあるカンビレーの滝は「神の座」を意味する聖地として知られています。浦内川を上りジャングルを越えた先にある神々の聖地を訪れるべく、イリオモテヤマネコも生息する西表国立公園に行ってみました。

マリユドゥ・カンビレーの滝
http://www.urauchigawa.com/taki.html

西表島には石垣島南西部にある離島ターミナルから高速船で行くことができます。



高速船は、安栄観光・八重山観光・石垣島ドリーム観光各社から出ていますが、マリユドゥの滝・カンビレーの滝へ行く場合には、浦内川から船を出している浦内川遊覧船乗場への無料送迎バスを出している安栄観光を利用するのがおすすめです。


西表島への航路は上原港・大原港の2種類ありますが、浦内川へは上原港から行きます。なお、2航路共に天候が悪い場合は欠航することも多いので、西表入りする際は、事前にこちらのページで運航状況を調べておくのがおすすめです。


高速船が乗り場に到着。


マグネットで貼り付けられた案内は逆さで行き先も間違っていますが、気にしない。


運賃は片道2300円。往復だと4400円と少しお得。


40分ほどで西表島上原港へ到着しました。


前方に見えるオレンジ色の屋根の建物がターミナルで休憩スペースとなっています。


無料送迎バスに乗って浦内川観光へ向かいます。


約15分ほどで浦内川遊覧船乗場へ到着。



駐車場の横を歩き進めて行くと……


「イリオモテヤマネコとの共生のために」という看板が現れます。浦内川付近は、イリオモテヤマネコの目撃が非常に多い場所とのこと。


あの丘のどこかにもイリオモテヤマネコが生息しているのかもしれません。


さらに歩いていくと……


遊覧船乗場という看板を発見。


坂を下った先には


カラフルなカヌーが並べられていました。


ここは海に近い河口で、淡水と海水が混ざり合う場所です。


流れもゆるく、野鳥の鳴き声しかしない非常にのどかなところ。


奥に見える緑の建物で船のチケットを購入できます。


マリユドゥの滝/カンビレーの滝へは1800円。



待合室はこんな感じ。


しばらくすると船が到着。


いよいよ出発です。

西表島・浦内川から遊覧船で出発 - YouTube


川の両岸には生い茂るマングローブ


干潮時に見られる特徴的な根。


アダンの木。パイナップルのような果実はヤシガニの大好物です。


とても日本とは思えないジャングルです。





ジャングルのさまざまな植物は船長さんが解説してくれました。


マングローブが生い茂る様子は以下のムービーで確認できます。

西表島・浦内川のどこまでも続くマングローブ - YouTube


マングローブというのはヒルギ科やヤシ科などの7種類の植物の総称。これはオヒルギ。


やや小ぶりなメヒルギ。


ヤエヤマヒルギ。この3種類がマングローブの大半を占めているとのこと。


なお、西表島はマングローブ植物7種すべてが生息している日本でただ一つの土地です。


途中で上流から帰ってくる船と遭遇。


中流にはシダ植物がうっそうと生い茂っています。


約30分で船着場に到着。


この岩は通称「軍艦岩」。


外国人観光客も何組か訪れていました。


ここから先はトレッキングです。


西表国立公園・浦内川自然研究路の看板からスタート。


この辺りはまだ道が整備されています。


いきなり休憩所。これは、帰り道で船を待つ人のために用意されているようです。


花暦(はなこよみ)の看板が掲示されていました。


舗装された道は最初だけ。あとは岩がごろごろした道が続きます。


川のせせらぎを越えて……


うっそうと茂る植物をかき分けて進みます。


トイレはかなり前半部分にしかないので、先に用を足しておくべき。


途中で、独特の根を持つ大木を発見。




ところどころ舗装道もありました。


小さな滝や……


立派な葉を持つシダ植物。


ずいぶん山を登ってきました。これは中腹の景色。


あちこちに根のトラップ。足下に注意して進みます。


小さな橋。


横に延びる木をくぐると……


またもや巨木を発見。これはオキナワウラジロガシ。


根の下から向側がのぞけました。


希少野生動物保護管理事業巡視路の標。このジャングルの中にはたくさんの希少種が生息しています。


2本の角をはやした木。


またまた小さな滝。


石畳を越えていきます。


横たわる木の下をくぐりまだまだ進みます。


多種多様な植物。


さすがはジャングル。


40分ほど歩いてきて、ようやく「展望台」の看板までたどり着きました。


階段を30メートル上ると展望台です。



展望台に到着!


ここから見えるのがマリユドゥの滝。


展望台の先へ進むと……


遠くにマリユドゥの滝が見えました。


300メートルは離れていそうですが、滝の音がしっかり聞こえます。


マリユドゥの滝を眺めながら飲むミネラルウォーターは最高です。しばしの休憩の後、マリユドゥの滝のさらに奥(写真右)に見える滝「カンビレーの滝」を目指します。


展望台の看板の横からさらに先を進みます。


この巨木は樹齢何年なのでしょうか?


テープがつけられた木。帰り道を迷わないための目印。


このあたりから神秘的な木が多く現れ始めます。


途中で小さな滝。


さらに進むと路の脇に「立入禁止」の立て札。この先にはマリユドゥの滝がありますが、事故が起こって以来、立ち入りが禁止されています。


カンビレーの滝の看板の指す方向へさらに進んでいきます。


傾く木をくぐると……


珍しい動物たちの看板。イリオモテヤマネコだけでなく、カンムリワシ、セマルハコガメなどの天然記念物も生息するとのこと。


小川を越えて……


人とすれ違えないほど両側から迫る岩の間を抜けていくと……


滝の音がだんだん大きくなるのが分かります。ゴールは目の前。


林を抜けると視界に滝が飛び込んできました。


これが「神の座」カンビレーの滝。岩肌はそれほどごつごつしてはないので、座ってくつろぐことができます。滝を眺めていると、これまでの疲労が嘘のように消えていくのが分かります。神々しい光景に、思わず「来て良かった」とつぶやいてしまいました。いつまでもここにいたいと思いつつも、船の到着時間を考えて、帰路につきました。




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