微小粒子状物質「PM2.5」やスギ花粉、これから黄砂の飛散も本格化するなど、日本の大気は健康被害を引き起こす“有害物質”で汚染され続けている。

 そんな時期に「1家に1台」ではなく、「1部屋に1台」も当たり前になりつつあるのが空気清浄機だ。

「ちょうど消費増税前ということもあり、既にリビングで大型の空気清浄機をお持ちのお客さんも『子供部屋にもう1台』と購入を検討しているようです。売れ筋の中心価格帯は部屋の広さによっても違いますが、4、5万円の製品が多いですね」(大手家電量販店)

 空気清浄機の国内シェアはシャープ、パナソニック、ダイキン工業と大手3社の製品でほとんど占められているが、「海外メーカーも含めてメジャーでないブランド製品も注目されている」と話すのは、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏だ、

「世界一の空気清浄スピードを謳うスウェーデン発の『ブルーエア』や、国内メーカーでは小型の本体ながらホコリの吸い込み性能が高い『バルミューダ』、ソニーや東芝のOBが設立した『エクレア』の10万円以上する高性能な空気清浄機も売れていると聞きます」(安蔵氏)

 こうした後発メーカーの空気清浄機に関心が集まるのには、ある共通したトレンドがあるという。安蔵氏が続ける。

「日本では加湿やイオン発生機能がごちゃごちゃ付いている空気清浄機が主流になっていますが、基本は部屋の中の風を回して強力な吸引力で本体のフィルターにまでホコリが届かなければ何の意味もありません。そこで後発組は余計な機能を省いて清浄力を武器に存在感を高めているのです」

 たとえイオン機能が充実していたとしても、PM2.5のように肺の中にまで入り込んでくるほどの微粒子をすべて殺菌、無害化できるわけではありません。それならば、基本性能に立ち戻り、掃除機のダイソンのようにとにかく根こそぎ吸引したほうが効果があるのではないか――。そうメーカー側もユーザー側も再認識し始めているのだ。

 そこで問題になるのがフィルターの「掃除」「交換」の選択である。

「大手3社はフィルターの“10年交換不要”などを謳っていますが、そのためにはマメにフィルターを掃除しなければなりません。

 ダイキンのように空気清浄機の本体内でカビ菌などを分解・除去する技術(ストリーマ)があるならまだしも、そもそも有害物質の詰まったフィルターを手を汚しながら掃除すること自体がナンセンスです」(安蔵氏)

 もちろんランニングコストはかかるものの、前出のブルーエア製品などは定期的なフィルター交換のみで掃除する手入れ方法はない。常に真っ新なフィルターを装着することで、空気清浄機の性能や効果を長持ちさせるだけでなく、よりホコリを近付けないことにも繋がるのである。

 高性能モデルが年々登場し、価格帯も上昇傾向にある空気清浄機。しかし、単に機能満載で高額だからといって清浄能力が高いとは限らない。そのことを念頭に置いて賢い製品選びをしたい。