米国の量的緩和縮小とアルゼンチンの通貨安によって、波乱の幕開けとなった新興国株式市場。しかし、年初からいきなり10%も上昇したベトナム株のように、好調な市場は存在する。

2014年の幕開けとなる1月の新興国株相場は、米国の量的緩和縮小と、それに伴うアルゼンチン、トルコの通貨大幅安を受けて、大半の市場で下落した。

1月23日に発表されたHSBCの中国の製造業PMI(購買担当者景況指数)が6カ月ぶりに景況の改善・悪化の節目となる50を割り込み、中国の景気の先行きに不透明感が漂い始めたことも、新興国株の下げ圧力を強めた。

市場別では、月間で中国本土市場の主要インデックスである上海総合指数が3・9%安、香港のハンセン指数が5・5%安、中国の景気動向に株式相場が影響されやすいブラジルのボベスパ指数は7・5%安。ブラジル株は経済指標の悪化なども嫌気され、相対的に大きく下げた。

一方、他の新興国とは対照的に、新年に入ってから相場が急騰したのがベトナム株。主要インデックスであるVN指数は昨年を通して500ポイント前後でもんでいたが、1月に入ると一気に550ポイント台まで跳ね上がった。

ベトナムの証券管理当局が昨年末、株式の外国人保有比率を現行の49%から60%に拡大する案を首相に提出したことが材料視され、海外からの資金流入が増えているようだ。

このほか、インドのSENSEX指数も年初から上昇し、1月23日に過去最高値を更新。世界景気の回復への期待から鉄鋼株やソフトウエア関連株が買われたが、1月最終週には世界的な株安の波にのまれる格好で下落に転じた。

反政府デモが繰り広げられたタイの株式相場は一進一退が続いたが、1月末時点のSET指数は年初から1・8%安にとどまった。

この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。