By Steve Garfield

インターネットのフリー百科事典「Wikipedia」は、広告収入に頼ることなく個人・団体からの寄付によって運営費がまかなわれています。そのWikipediaに仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」を使って寄付を行うという試みがなされています。

Hello from Jimmy Wales of Wikipedia : Bitcoin
http://www.reddit.com/r/Bitcoin/comments/201fa6/hello_from_jimmy_wales_of_wikipedia/

事の始まりは、Wikipediaの創始者でWikimedia財団の名誉理事長を務めるジミー・ウェールズ氏がした以下のツイートでした。2014年3月7日、ウェールズ氏は、「今日はビットコインで遊んでいるんだ。Coinbaseで0.1BTCを買ったところさ」というツイートを行いました。

このツイートに対して、フォロワーから「ビットコインアドレスを教えてよ。何が起こるのか見てみたい!」とリプライがありました。

これに対してウェールズ氏が、ビットコインアドレスは「1McNsCTN26zkBSHs9fsgUHHy8u5S1PY5q3」だよ、と返信。

ブロックチェーンについて誰かもうちょっと教えてくれない?」とウェールズ氏。ビットコインについてお勉強中のよう。

「どんなに簡単か、ここにいる人が寄付して教えてくれるよ。Wikipediaはビットコイン寄付システムで恩恵を受けるんじゃない?」

そして、実際に寄付が集まり始めて、「昨日ツイートしたビットコインアドレスに、これまでに4.5BTC以上が集まっています。もちろん、Wikipediaに全額寄付します」とウェールズ氏。

「Wikipediaがビットコインでの寄付を受け入れるって事だね」

ビットコイン寄付キャンペーンは7.969BTCに到達。だいたい4963ドル(約51万円)!ありがとう!」

3月11日には「17.884BTCに到達。だいたい1万1235ドル(約115万円)」

3月12日にはウェールズ氏は、「集まったビットコインをWikimedia財団に寄付するために、1日に1BTCずつ換金していこうと思います」

「細切れに売っていくより一気に売っちゃうほうが高く売れるんじゃないの?」という質問に対しては……

「流動性の低いマーケットでは、大規模な注文をすれば値が下がる傾向にあるから、そんなに大きな違いはないと思うよ」とウェールズ氏。

実はウェールズ氏は、Wikimedia財団を創立する前に、シカゴの先物オプション企業でディーラーとして勤務していたとのこと。先物取引の経験があるウェールズ氏なら、ビットコインを高く売り抜けることで、Wikipediaに多額の寄付を集めることができるかもしれません。

なお、ウェールズ氏は掲示板redditで、Wikipediaへの寄付をビットコインで受け付けるべきかについて、次のWikimedia財団の理事会で議題にすることを明らかにしています。

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