上野の森で現代美術・若手作家の登竜門「VOCA展2014」開催

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たとえばAKBのPV作品などでも活躍する写真家の蜷川実花さんや、刺繍を施した美術作品で人気の清川あさみさんなど、人気のアーティストが入選を果たしてきた現代アート界の登竜門と言えば・・・? 今年で21年目となる「VOCA(ヴォーカ)展」(The Vision of Contemporary Art)のこと。

3月15日(土)から3月30日(日)までの16日間にわたって、上野の森美術館では、「VOCA展2014 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」と題した展覧会を開催。世界に通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に始まった美術展だけあって、若々しいエネルギーにあふれた力作がずらり!

この美術展の特色は、全国の美術館学芸員や研究者、ジャーナリストなどから委員を選出して、40歳以下の若い作家を1名推薦できるというシステム。今年は33名の作家からグランプリ1名、奨励賞2名、佳作賞2名、大原美術館賞1名の計6名が受賞したけれど、そのうち5名が若い女性作家とか。

その中で、グランプリとなる「VOCA賞」は、東北芸術工科大学・大学院在学中の田中望さんの作品「ものおくり」に決定。そのみどころについて「受賞作は、死んで岸に打ち上げられた鯨とそれを供養する祭の様子を描いています。中では、擬人化されたウサギが行う、さまざまな祭礼の様子が細部までじつに生き生きと描かれています。このような習俗を扱った主題ゆえか、VOCAの歴代受賞作のなかでも希有な作品といえます。おそらくは東日本大震災に対する「鎮魂」の思いも描かれたものですが、細かく描写されているウサギがなんとも可愛らしく、見ていると時間を忘れてしまいそうです。何をしている姿なのか、誰かと話しながら鑑賞するのがおすすめです」と、広報担当。

3月15日(土)と3月22日(土)には、「受賞作家によるアーティスト・トーク」も行われるとか。みずみずしい作品を鑑賞しながら、将来有望な若手作家をチェックするのも楽しそう!