投信も、年金も!今年最初で最大のテーマはやっぱりJPX400
鳴り物入りでスタートした、新株価指数・JPX400。年金や日銀による日本株購入の受け皿になるだけでなく、外国人の参戦にも期待。ビッグマネーが押し寄せるJPX400攻略法を松井証券の窪田さんが指南!

JPX400は時価総額が小さい株に注目!

「今年最初で最大のテーマといえば、東証の肝入りでスタートした新株価指数・JPX400で決まりでしょう。指数に採用された銘柄の株価上昇はすでに始まっていますが、まだ間に合う!」と語るのは松井証券のシニアマーケットアナリスト・窪田朋一郎さん。

「銘柄選定の基準に外国人好みの株価指標ROEを使っているため、今までは狢膩〞と思われていたような意外な銘柄が採用されている点が魅力です。値動きの軽さを重視するなら、JPX400の中でも時価総額の小さい銘柄がおもしろそうです。鬼怒川ゴム工業やコーナン商事、スカイマークなどの中小型株なら、投信や年金、日銀、外国人投資家といったビッグマネーによる指数採用銘柄まとめ買いのインパクト大です」

経営再建中の中堅商社・兼松などは、昨年11月にJPX400採用が発表されて以降、株価が43%も上昇した。「ゲオホールディングスやサイゼリアなど、株主優待もあって中長期的に保有し続けたい銘柄も数多く採用されています」

あくまで長期投資向きのJPX400関連に比べ、「こちらは春先の短期売買向き」という視点で窪田さんが教えてくれたのは、「個人投資家が売り越しているにもかかわらず、株価が新高値を更新している銘柄」。

今年に入って、栃木銀行や大分銀行といった地味な地銀株がひそかに(!?)、しかし大挙して昨年来高値を更新しているのだ。「個人投資家が売っているのに株価上昇が続いているのは、背後で外国人投資家やヘッジファンドが買い上げている証拠です。こうした銘柄には、逆張り志向の個人投資家中心に信用取引のカラ売りが入りやすいので、『踏み上げ相場』にも期待できます」

新高値更新銘柄にはなぜか、地銀や電力・ガス関連など公益性の高い企業が多い。「そのへんに、ひそかに買い手の猗襪瓩燭覦嫂〞を感じます。公益株は突飛高で終わることなく安定して上昇しやすいと言えます」と窪田さん。さらに、公益株には低位株が多いので株価2倍、3倍も夢ではないのだ。

「踏み上げ相場」って何?

株価が新高値を更新したような銘柄には、「そんなに上がるのはおかしい、そろそろ下がるな」と考えた投資家による信用取引のカラ売りが大量発生することが多い。それでも株価の上昇が続くと、カラ売り勢は損失の拡大を恐れて株を慌てて買い戻そうとする。すると、その買い戻しの力で株価がますます急騰してしまうのが「踏み上げ相場」。新高値更新銘柄を売買するときは信用取引のカラ売り残高をチェックして、踏み上げ相に発展するかどうかをしっかり観察しよう。

組み入れ銘柄はすでに人気化!「JPX400」の中小型株20 窪田さんは「時価総額」でチョイス

鬼怒川ゴム工業(東1・5196)
465円(1000株)
時価総額:313億円
ROE:17.10%
配当利回り:1.72%

日産系の自動車向けゴム部品大手。生産拠点の海外移管にいち早く着手し、為替変動に振り回されにくい収益構造にしている。

コーナン商事(東1・7516)
1026円(100株)
時価総額:356億円
ROE:9.50%
配当利回り:3.11%

関西が地盤のホームセンター大手。“地域一番店”が多いのが強み。1株当たり利益が大きく、有利子負債の削減が進めば、大幅増配の可能性。

スカイマーク(東1・9204)
346円(100株)
時価総額:316億円
ROE:8.50%
配当利回り:1.15%

新興航空会社の勝ち組。4月以降、海外路線の運航開始などで路線網が拡充され、収益安定へ。有利子負債ゼロで、増配余地は大きい。

日本コークス工業(東1・3315)
133円(100株)
時価総額:402億円
ROE:7.70%
配当利回り:2.25%

製鉄に使うコークスの製造大手。新日鉄住金に加え、住友商事や商船三井などが大株主で、三井住友色が強い。来期も増益か。

プレス工業(東1・7246)
398円(1000株)
時価総額:454億円
ROE:11.10%
配当利回り:2.51%

大型プレス機を活用した自動車や建機向けプレス部品を製造。いすゞ自動車系。円安基調の継続で、来期は増収増益が予想される。

ゲオホールディングス(東1・2681)
919円(100株)
時価総額:500億円
ROE:15.60%
配当利回り:3.48%

ゲームソフトの販売やCDレンタルに加え、衣料品や家電のリユース事業も急拡大中。積極出店だが、負債は少ない。増配余力大。

山善(東1・8051)
565円(100株)
時価総額:530億円
ROE:13.20%
配当利回り:2.65%

工作機械や住宅設備などの専門商社。海外事業に力を入れるほか、シニア向けに健康機器分野も開拓中だ。来期は8期ぶりに最高益か。

トモニホールディングス(東1・8600)
390円(100株)
時価総額:594億円
ROE:3.80%
配当利回り:2.05%

徳島銀行と香川銀行の統合でできた持ち株会社だ。注力中の住宅ローンが拡大。経営統合による効率化で利益率の向上が予想される。

サイゼリヤ(東1・7581)
1160円(100株)
時価総額:606億円
ROE:6.10%
配当利回り:1.55%

低価格のイタリアンレストランを全国展開。競争激化による利幅低下を店舗コスト圧縮で乗り切り、商品の質を維持している。積極出店中。

ココカラファイン(東1・3098)
2322円(100株)
時価総額:591億円
ROE:11.20%
配当利回り:2.58%

関東と関西を地盤にドラッグストアを運営。他社買収も交えて店舗網拡大を続けるが、営業キャッシュフロー範囲内で、節度ある経営。

東和薬品(東1・4553)
3920円(100株)
時価総額:673億円
ROE:11.70%
配当利回り:1.91%

ジェネリック医薬品大手。政府による薬価抑制方針から長期的な成長が見込まれる。生産品目も増え、開発費は順調に回収中。

バロー(東1・9956)
1370円(100株)
時価総額:721億円
ROE:11.50%
配当利回り:2.18%

岐阜県と愛知県を中心に食品スーパーを展開。産地一括買い上げなどでコストの低下を図る。景気回復による客単価の底打ちに期待。

兼松(東1・8020)
173円(1000株)
時価総額:731億円
ROE:20.50%
配当利回り:1.73%

食料品とITに強い準大手商社。今2014年3月期に15年ぶりの復配を打ち出して話題になった。業績は好調に推移し、来期は増配か。

ミライト・ホールディングス(東1・1417)
849円(100株)
時価総額:725億円
ROE:4.10%
配当利回り:2.35%

電話工事会社の大明などが統合して発足。住友電気工業の傘下だが、NTTの受注が多い。他社買収にも積極的で、来期も増収増益へ。

キヤノン電子(東1・7739)
1851円(100株)
時価総額:781億円
ROE:10.20%
配当利回り:3.24%

キヤノン傘下の製造・組み立て会社。プリンターが好調だ。親子上場解消を目的としたキヤノンによる買収観測もくすぶる。

アルゴナビスの清水さんも「JPX400」に注目 「市場」は東2、マザーズ、JQからチョイス!

フィールズ(JQ・2767)
1827円(100株)
時価総額:634億円
ROE:8.90%
配当利回り:2.73%

SANKYO系列のパチンコ・パチスロ機販売大手。新台開発を有利に進めるため、コンテンツ部門の強化に力を入れている。

ジーテクト(JQ・5970)
2849円(100株)
時価総額:626億円
ROE:11.90%
配当利回り:1.26%

ホンダ系のプレス部品メーカーで、高品質が要求される車体骨格や変速機に強みを持つ。売り上げの75%を占める海外事業が好調に推移している。

ニューフレアテクノロジー(JQ・6256)
8680円(100株)
時価総額:1042億円
ROE:39.50%
配当利回り:1.15%

東芝機械からの分社化で独立した半導体製造装置メーカー。半導体の省電力化に沿った設備投資拡大が追い風。来期は今期に続いて最高益か。

ユニバーサルエンターテイメント(JQ・6425)
1744円(100株)
時価総額:1399億円
ROE:18.70%
配当利回り:1.72%

パチスロ大手。カジノホテルの運営実績があり、カジノ関連株の中核銘柄に位置づけられる。売上高の2倍近い利益剰余金がある。

第一興商(JQ・7458)
2977円(100株)
時価総額:1778億円
ROE:13.40%
配当利回り:2.18%

カラオケ店「ビッグエコー」と通信カラオケ「DAM」が収益の柱。景気回復による利用増で、来期は過去最高益の可能性も。

※データは2014年2月6日現在。ROEは実績、配当利回りは予想。

「新高値」ゲット+「売り越し」銘柄で踏み上げ期待15

阪神内燃機工業(東2・6018)
192円(1000株)
時価総額:31億円
ROE:2.90%
PER:11.3倍
PBR:0.30倍
配当利回り:1.56%

戦前から続く中小型船舶エンジンメーカー。東南アジアからの受注獲得で業績反転を狙っている。年間3円の安定配当を継続中。

ユアテック(東1・1934)
317円(1000株)
時価総額:257億円
ROE:―
PER:―
PBR:0.39倍
配当利回り:3.15%

東北電力傘下の電気工事会社。太陽光発電関連の工事が増え、収益を下支えしている。海外受注獲得に乗り出し、東北電力の依存度は低下へ。

栃木銀行(東1・8550)
359円(1000株)
時価総額:410億円
ROE:4.50%
PER:5.8倍
PBR:0.31倍
配当利回り:1.94%

栃木県・埼玉県を地盤とする第二地銀。今期は7年ぶりに最終利益が過去最高を更新し、来期もさらに増益が予想される。

トモニホールディングス(東1・8600)
390円(100株)
時価総額:594億円
ROE:3.80%
PER:7.6倍
PBR:0.37倍
配当利回り:2.05%

徳島銀行と香川銀行を統括する銀行持ち株会社。大阪などへの商圏拡大にも積極的だ。住宅ローンの積み上げが収益と経営安定に貢献。

東日本ガス(東2・9544)
351円(100株)
時価総額:27億円
ROE:4.60%
PER:13.3倍
PBR:0.40倍
配当利回り:1.99%

千葉県・茨城県が地盤の都市ガス中堅。供給エリア拡大で売上高は増加基調。中小LPガス業者の吸収などでの拡大余地は大きい。

ダントーホールディングス(東1・5337)
118円(1000株)
時価総額:35億円
ROE:―
PER:―
PBR:0.24倍
配当利回り:―

タイル専業メーカー。住宅投資拡大や都心部の地価反転、東京五輪を前にした再開発などで需要の大幅増加が期待できる。

大分銀行(東1・8392)
382円(1000株)
時価総額:636億円
ROE:4.80%
PER:6.9倍
PBR:0.40倍
配当利回り:1.57%

中堅地銀ながら香港にも事務所を構え、県内企業の中国進出をサポート。今期は最終利益が過去最高となる見込みだ。安定配当を維持。

サンテック(東1・1960)
510円(1000株)
時価総額:121億円
ROE:1.60%
PER:15.1倍
PBR:0.45倍
配当利回り:1.96%

電気工事大手。安倍内閣の経済政策よる公共事業の増加や大手不動産業者主導の都心部再開発などで、受注量の増加が見込まれる。

テクノ菱和(東2・1965)
501円(100株)
時価総額:115億円
ROE:0.70%
PER:33.7倍
PBR:0.50倍
配当利回り:2.39%

三菱重工業系の空調工事業者。ビルや工場などの大型施設で、冷暖房設備を一括受注している。アジア市場の開拓で第2の成長期入りを狙う。

両毛システムズ(JQ・9691)
687円(100株)
時価総額:24億円
ROE:1.10%
PER:13.3倍
PBR:0.40倍
配当利回り:0.72%

自動車部品メーカー向けが主力のシステム開発業者。マイナンバー制度導入を前に、地方自治体向けの大幅拡大も予想される。

フクビ化学工業(東2・7871)
519円(100株)
時価総額:107億円
ROE:3.30%
PER:10.7倍
PBR:0.46倍
配当利回り:3.85%

床材など建築用が中心のプラスチック資材メーカー。自動車向けも伸びている。タイと米国にも工場があり、海外市場拡大に乗れる体制に。

スクロール(東1・8005)
293円(100株)
時価総額:101億円
ROE:1.10%
PER:20.1倍
PBR:0.48倍
配当利回り:3.41%

通販のムトウが2009年に社名変更。女性向け衣料品を中心に、生協向けが根強い。遅れ気味だったネット販売に本腰を入れ、業績復調か。

日亜鋼業(東1・5658)
329円(1000株)
時価総額:170億円
ROE:1.80%
PER:17.1倍
PBR:0.46倍
配当利回り:1.82%

新日鉄住金グループの鋼線材の総合メーカー。足元の業績は公共事業の拡大で好調。2020年の五輪開催まで繁忙状態か。

中越パルプ工業(東1・3877)
200円(1000株)
時価総額:233億円
ROE:0.50%
PER:23.3倍
PBR:0.50倍
配当利回り:2.00%

王子製紙と親密な中堅製紙会社。円安で海外の格安品の流入が減り、販売数量は増加。値上げ浸透も業績に貢献し、今期は大幅増益の見込み。

東邦銀行(東1・8346)
290円(1000株)
時価総額:732億円
ROE:4.10%
PER:9.0倍
PBR:0.44倍
配当利回り:2.41%

福島県が地盤の優良地銀。震災・原発事故後の復興支援は政府の要請でもある。復興予算が上積みされれば、銀行も忙しくなりそうだ。

※データは2014年2月6日現在。ROEとPBRは実績、PERと配当利回りは予想。JQ=ジャスダック。

窪田朋一郎(くぼた ともいちろう)
松井証券 シニアマーケットアナリスト

2001年、松井証券入社。マーケティング部を経て現職。個人投資家の動向解説では業界随一。外国人投資家の分析も抜かりなし!



この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。