会社におやつタイムがある『菓業食品新聞』、82歳の現役女性記者が畳情報を発信する『敷物新聞』など、全国には2000を超える業界紙がある。そして、冷凍食品情報を発信する専門紙には、『冷食タイムス』が存在する。

 1969年創刊の『冷食タイムス』編集部には、電子レンジと冷蔵庫が並び、冷凍庫の中には大量の冷凍食品が常備されている。記者は総勢5名。去石(さるいし)誠一編集長以下全員、「安くて、おいしいから」という理由で、ランチはほぼ毎日、冷凍食品を食べているという。会社にいるときだけではない。去石編集長は週末の家族ランチも、もちろん冷凍食品だ。パスタなら乾麺や生麺ではなく、冷凍パスタをチン! 見上げた記者魂である。

「難点は1袋ずつレンジで温めるから、家族同時に『いただきます』ができないこと(笑い)。妻や僕のパスタが温まる頃には、子供はすっかり食べ終わってしまっているんです」

 冷食へのこだわりは尽きない。編集長のふとした発言から、思わぬヒット商品が生まれた過去があるのだ。

「冷凍パスタもね、昔は1人前の量が少なかったんです。家庭の主婦の昼食を想定して開発されたんですね。でも見ての通り、この体格の僕には物足りなかった(笑い)。そこで、メーカーさんに『あれじゃあ、量が少ないよ。1.5人前を作ってくれよ』と、愚痴をいったんです」

 その後、1.5人前冷凍パスタは商品化され、店頭へ並んだ。

「いざ売り出すと人気があったようで、今では大盛りの商品もたくさん出てきた。僕の影響なのかもしれません」

 去石編集長は体重101kg。自他ともに認める“メタボ編集長”だ。しかし、この体型が業界内で問題視されることも……。

「業界内ではよく、『去石さんを見ると、“冷凍食品を食べると太る”と思われるから、あんまり太らないように』と、叱られるんです。だけど、おいしいから、ついつい食べ過ぎちゃうんですよね……」

※週刊ポスト2014年3月14日号