大震災直後は災害ボランティア以外にも日本中の企業や個人が被災地へ駆けつけ、救援・復旧活動を担ったことが話題になった。しかし一般の企業や個人が「長く支援活動を続ける」ことは容易ではない。基金を作るなどして経済的支援をする企業が多い中で、社員らが継続的に被災地に入り続けている企業がある。

 震災発生直後に「4年間で100億円の支援」方針を打ち出した三菱商事。といっても、金銭面だけではない。2011年4月にスタートした同社の社員ボランティアは当初、宮城県仙台市や石巻市、南三陸町に入って支援を続けた。

 3年経った現在は活動地域を岩手県陸前高田市などにも広げ、毎週末に20名程度が各地を訪問している。これまで参加した社員数はグループ会社も含め延べ2870人(1月末時点)。最初は瓦礫の片付けなどが主な仕事だったが、現在は津波で浸水した農地の再生事業や、漁港での作業支援、学校再生などを担う。同社の環境・CSR推進部復興支援チームの中川剛之チームリーダーは次のように話す。

「片付け作業中心から現地で何かを作り出す動きへと、活動内容は変わっています。そうした時に人手が足りない局面が出る。継続して足を運びニーズを把握することが重要です」

 社内公募されたメンバーは2泊3日の日程で現地を訪れる。平日はボランティア休暇を利用し、土日は休日返上の活動だという。

「活動成果を常に社内で共有することで、社員の被災地への関心が風化しないように努めています」(同前)

 自動車販売の東京トヨペットは2011年7月から各回数十名の社員が被災地に向かう。当初は石巻市にある漁港や養殖漁場の復旧作業が主だった。同社の夢づくり推進部広報グループの内藤博之リーダーはこう言う。

「我々ができることは、必要な現場に人を出すことに尽きます。2012年12月頃からは南三陸町で畑の細かい瓦礫を除去するといった農地再生などをお手伝いしています」

 月曜夜に都内をバスで出発し、火曜日に活動して当日深夜に戻るスケジュールだ。

「今回は吉祥寺店、次回は芝浦本社というようにバスの出発地を変えるなど、各地に住む社員が参加しやすく、社としても無理なく継続できる仕組みを整えました。多くの店舗が休みの火曜日に活動するのも同じ理由です」(同前)

※SAPIO2014年4月号