鉄道や産業ロボットなど制御装置部門も注目度大
投資ストラテジストの中西さんは「大型株から中小型株」「金融相場から業績相場」という世界的な流れが加速中と読む。相場の主役を張るのはズバリ「設備投資」、略して「設投」関連株だ!

さらに設備投資のメインストリームといえば、社会インフラを支える制御機器関連。

「私が最も注目しているのは、鉄道関連の設備装置メーカーです。安倍首相が国策として掲げるインフラ輸出でも、鉄道分野は原発と並んで主役になりそうな勢い。車両の川崎重工業や自動改札機の日本信号などに注目したい」

あらゆるインフラプラントに必要な制御機器は多種多様です。GPSに強いトプコンは北米の建機・農機向け自動操縦システムが絶好調。

業績相場のもと、設備投資関連以外に外国人投資家が今、熱い視線を送る日本株とは?

「米国有数の投資ファンドであるサード・ポイントが、ソフトバンクに1000億円超を投じたように、今、世界中の投資家が孫正義氏による米国通信大手TモバイルUS買収に期待を寄せています。世界に羽ばたくソフトバンク関連株からは目が離せません。同時に、日本が科学技術の分野で最先端を走っているのはiPS細胞やSTAP細胞に代表される『再生医療』でしょう。成長期待の高い分野として外国人投資家も注目しているだけあって、今年も関連株は火を噴きそうです」

期待2位は「制御機器関連」の鉄道車両向け9銘柄

【シンフォニア テクノロジー】
東1・6507/1000株
株価:161円
ROE:2.70%
配当利回り:1.86%

旧・神鋼電機。神戸製鋼所からの独立で高収益志向が強くなった。防衛庁向け航空機電装品が安定した収益を実現。自動車用試験装置や製造ラインの部品供給システム、切符の自動販売機も生産する。

【日本信号】
東1・6741/100株
株価:880円
ROE:5.76%
配当利回り:1.70%

鉄道用と道路用の信号を生産するほか、駅業務の自動化や駐車場管理システムも。自動改札機やホームでの行き先表示板など日本で培ったノウハウを活用し、インドや韓国など海外でも大口受注を獲得。

【ナブテスコ】
東1・6268/100株
株価:2206円
時価総額:2830億円
ROE:12.50%
PER:20.3倍
PBR:3.35倍
配当利回り:1.72%

産業用ロボットの微妙な動きを生み出す精密減速機や自動ドアで世界首位。鉄道用ブレーキでも知られる。買収を交えて拡大路線へ。

【日立製作所】
東1・6501/1000株
株価:759円
時価総額:3兆6686億円
ROE:9.10%
PER:17.0倍
PBR:2.82倍
配当利回り:1.31%

総合電機のトップ。社会インフラを事業の中心に据える。円安による体力回復で、グループ企業の再編が本格化し、利益率向上へ。

【富士電機】
東1・6504/1000株
株価:414円
時価総額:3090億円
ROE:14.70%
PER:19.3倍
PBR:1.83倍
配当利回り:1.44%

火力発電設備に強い重電メーカーとして知られる。駆動装置など鉄道車両用電機部品も扱う。大規模太陽光発電プラント工事でも繁忙中。

【東洋電機製造】
東1・6505/1000株
株価:325円
時価総額:158億円
ROE:4.30%
PER:21.0倍
PBR:1.01倍
配当利回り:1.84%

電車用の駆動装置や架線から電気を取り入れるパンタグラフを製造。国内私鉄向けに加え、中国でも受注が好調だ。海外強化を目指す。

【川崎重工業】
東1・7012/1000株
株価:416円
時価総額:6955億円
ROE:9.60%
PER:20.4倍
PBR:2.69倍
配当利回り:1.20%

ニューヨーク市の地下鉄車両の大量受注など、明るい話題が続く。中型・大型バイクの海外販売も好調だ。航空機部門も利益に大きく貢献。

【日本車輌製造】
東1・7102/1000株
株価:478円
時価総額:701億円
ROE:2.90%
PER:10.3倍
PBR:1.17倍
配当利回り:1.04%

鉄道車両製造でトップ。JR東海系で、リニア新幹線計画でも活躍が期待される。米国工場も拡張中で、攻めの経営姿勢が鮮明に。

【近畿車輛】
東1・7122/1000株
株価:338円
時価総額:234億円
ROE:1.40%
PER:―
PBR:0.65倍
配当利回り:1.47%

国内でJR車両を中心に製造。輸出にも力を入れており、海外売上高比率は40%と高い。米国工場の稼働後は為替変動に対する抵抗力も得た。

「制御機器メイン」の中小型株9銘柄

【アズビル】
東1・6845/100株
株価:2430円
ROE:6.10%
配当利回り:2.59%

制御機器大手の旧・山武。ビルや工場の省エネ型空調にも強い。2021年度の売上高3000億円、営業利益300億円、ROE10%を長期目標に据える。海外売上高比率は現行の1割から倍増へ。

【トプコン】
東1・7732/100株
株価:1429円
ROE:1.26%
配当利回り:0.69%

精密測量と眼科用機器を製造・販売する。欧米向けの自動操縦型の大型機種を中心に、GPSシステム事業の売り上げが前年比3割もの大幅増加。4月の新年度入り後、新中期経営計画を公表へ。

【安川電気】
東1・6506/1000株
株価:1376円
時価総額:3472億円
ROE:6.40%
PER:22.3倍
PBR:4.82倍
配当利回り:0.87%

産業用ロボット生産で世界首位。スマホ製造ライン向け機器も好調だ。自社工場の効率化も進み、利益率が一段と向上する見通し。

【オムロン】
東1・6645/100株
株価:3850円
時価総額:8744億円
ROE:8.80%
PER:20.3倍
PBR:3.85倍
配当利回り:1.29%

感知と制御をキーワードに、センサー、体温計や血圧計、自動改札機、ATMなど各分野で高い評価。充実したIR(*)活動も好感度大。

*IR=投資家向け広報

【アンリツ】
東1・6754/100株
株価:1057円
時価総額:1522億円
ROE:25.10%
PER:16.0倍
PBR:1.92倍
配当利回り:1.89%

電子計測器の大手。携帯電話や無線LAN、ネット回線など情報通信関連の計測機器が安定的に拡大している。機関投資家の保有が多い。

【横河電機】
東1・6841/100株
株価:1474円
時価総額:3960億円
ROE:9.40%
PER:27.3倍
PBR:3.36倍
配当利回り:0.81%

制御機器に強みを持つ。ロシア天然ガス事業向けの制御システムなど、大型案件の受注が好調。海外事業の拡大で利益成長を狙う。

【キーエンス】
東1・6861/100株
株価:4万950円
時価総額:2兆4898億円
ROE:―
PER:31.1倍
PBR:3.27倍
配当利回り:0.14%

センサーや測定機器が柱。製造業随一の高給で知られるだけあって、技術力とアフターサービスの充実ぶりは他社の追随を許さない。

【ファナック】
東1・6954/100株
株価:1万6240円
時価総額:3兆8896億円
ROE:11.60%
PER:38.5倍
PBR:4.01倍
配当利回り:0.95%

産業用ロボットで有名。工場の省人化を支える企業で、自動車業界の設備投資の増加が追い風になる。利益剰余金約1兆3000億円は驚異的。

【島津製作所】
東1・7701/100株
株価:882円
時価総額:2611億円
ROE:4.50%
PER:17.4倍
PBR:2.33倍
配当利回り:1.02%

計測機器やX線CTスキャンをはじめとする医療機器など高付加価値品が得意。今期は6期ぶりに最高益を更新の見込みで、来期も増益に。

孫正義リーダー率いるソフトバンク関連が外国人にはわかりやすい!9銘柄

【ソフトバンク・テクノロジー】
東1・4726/100株
株価:1337円
ROE:12.23%
配当利回り:1.49%

ソフトバンクグループの新規事業の影に、この会社の高度な情報通信技術がある。電子商取引サイトの運営代行で定評。他社買収による業容拡大に意欲的。

【ブロードメディア】
JQ・4347/100株
株価:176円
ROE:1.36%
配当利回り:―

ソフトバンク系。ネット向けゲームやテレビ局向け番組など各種コンテンツを供給。スマホ普及による動画事業拡大に期待。単位制通信高校も運営。

【バリューコマース】
東1・2491/100株
株価:1164円
ROE:21.25%
配当利回り:0.94%

ブログ画面などに設置するアフィリエイト(成果報酬型)広告でトップ。2014年12月期は3期連続で最終利益が過去最高を更新し、連続増配が濃厚。

【アイティメディア】
東マ・2148/100株
株価:639円
時価総額:41億円
ROE:3.50%
PER:21.6倍
PBR:1.11倍
配当利回り:1.25%

ソフトバンク傘下のIT企業で、広告収入が拡大中。今中間期に上場以来初の配当を実施し、機関投資家が買いやすくなりそうだ。

【カービュー】
東マ・2155/100株
株価:634円
時価総額:80億円
ROE:1.80%
PER:38.2倍
PBR:1.45倍
配当利回り:1.18%

車情報の人気サイト「カービュー」「みんカラ」で知られる。自動車販売の好調で収入増。1月の第3四半期決算時に業績予想を上方修正。

【ガンホー・オンライン・エンターテイメント】
JQ・3765/100株
株価:650円
時価総額:7488億円
ROE:120.40%
PER:13.3倍
PBR:10.52倍
配当利回り:0.38%

ゲームアプリ「パズドラ」の大ヒットで知られる。他社買収にも積極的で、パズドラの次の成長戦略を着々と進める。大型提携観測も。

【アスクル】
東1・2678/100株
株価:3655円
時価総額:2000億円
ROE:10.90%
PER:66.6倍
PBR:3.54倍
配当利回り:0.82%

ヤフー傘下企業の代表的な成功例。42%超のヤフー出資比率の引き上げ観測も。顧客企業の増加を反映し、増収基調は衰えを知らない。

【ブロードメディア】
JQ・4347/100株
株価:172円
時価総額:115億円
ROE:1.40%
PER:―
PBR:2.07倍
配当利回り:―

放送や映画配給が本業。来期の営業利益は黒字回復となりそう。ゲーム事業も拡大中。SBI系投資ファンドも株を保有し、値上がりを待つ。

【ヤフー】
東1・4689/100株
株価:560円
時価総額:3兆2211億円
ROE:22.80%
PER:25.5倍
PBR:5.53倍
配当利回り:0.79%

昨年打ち出したネット通販の出店料と販売手数料の無料化は、スタート当初から出店申し込みが殺到。業界地図を塗り替える勢いだ。

外国人が好むアベノミクス株は「再生医療」関連5銘柄

【ロート製薬】
東1・4527/100株
株価:1580円
ROE:9.21%
配当利回り:1.13%

知名度の高い目薬も主力のスキンケアも好調。昨年11月に業績予想を上方修正し、利益はさらに上振れも。昨秋は自社株の公開買付も実施し、利益還元も充実。2015年3月期は11期連続増配か。

【タカラバイオ】
東マ・4974/100株
株価:1800円
ROE:3.67%
配当利回り:0.06%

遺伝子医療分野の主力銘柄。試薬や機器類、キノコの販売も。iPS細胞作製特許も保有。株価2000円で時価総額2400億円とマザーズ最大級。いつでも東証1部に移れる好財務企業でもある。

【イナリサーチ】
JQ・2176/100株
株価:797円
時価総額:24億円
ROE:0.60%
PER:119.4倍
PBR:1.33倍
配当利回り:0.37%

医薬品の動物実験に定評あり。新薬開発が活発化すると、この会社の仕事も増える仕組み。田辺三菱製薬が出資し、信用力も高い。

【テラ】
JQ・2191/100株
株価:1933円
時価総額:256億円
ROE:7.40%
PER:―
PBR:18.77倍
配当利回り:―

東京大学医科学研究所発のバイオベンチャー。ガン免疫療法の本命企業との評判だ。適用症例が増え、5年後、10年後が楽しみな銘柄。

【大日本住友製薬】
東1・4506/100株
株価:1639円
時価総額:6522億円
ROE:3.00%
PER:38.3倍
PBR:1.73倍
配当利回り:1.09%

住友化学系の製薬大手。米国での同業者買収で、抗ガン剤などを主力とする海外拡大路線が鮮明になってきた。年間18円の安定配当。

※ データは2014年2月6日現在。チャートは日足。ROEとPBRは実績、PERと配当利回りは予想。JQ=ジャスダック。

中西文行(なかにし ふみゆき)
ロータス投資研究所代表

岡三経済研究所などを経て独立し、ロータス投資研究所を設立。投資戦略、株価予測のF1チャンピオンを目指す!



この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。