ウクライナ情勢が緊迫化し3日の日経平均は大幅に4日続落し、一時前週末比397.97円安の1万4443.10円まで売り叩かれ、さながら「ウクライナ・ショック」、「プーチン・ショック」の様相を呈しました。

 残念ながら、期待した上昇相場は懐疑の中で育たず、日経平均は2月25日の1万5094.54円を目先天井にして失速しました。次の悲観の中での上昇相場の誕生に期待しましょう。

円安なくして日本株の上昇なし

 今後、円相場が円安に振れるような材料が飛びださない限り、日本株は調整を続ける見通しです。確かに、経験則上、この手のショックは短期的な影響にとどまり、絶好の押し目買い好機になることが多いのですが、果たして、今回もそのパターンに当てはまるか不透明です。

 また、欧米・ウクライナ新政権とロシアとの間で、クリミア半島の分離・独立を承認することで合意するなら、市場にとっては非常にポジティブです。しかし、そう簡単に合意形成できるか、これまた不透明です。

 今後のテクニカル上の注目ポイントは、200日移動平均線(3日現在1万4512.78円)がサポートとして機能するか否かです。これを終値で割り込むようだと、下値不安が一段と高まる公算が大きいからです。割り込んだ場合、まずは2月17日の1万4214.60円が、次に2月5日の1万3995.86円が下値メドとして意識されることでしょう。

ウクライナ問題は「君子危うきに近寄らず」のスタンスで

 経済規模でみると、ウクライナ自体は取るに足らない存在です。ウクライナのGDPは福岡県並みの小ささで、日本からの輸出は1000億円程度、輸入は150億円程度に過ぎません。このため、ウクライナ問題が、過去のリーマン・ショックや、ユーロ通貨危機のように世界の金融市場を不安に陥れる可能性は低い上、日本経済への直接的な影響も軽微です。

 また、この問題で、欧米とロシアが本格的な軍事衝突に発展する可能性が低いというのが、市場の大方の見方です。

 ですが、ロシアがウクライナ南部クリミア半島に6000人以上のロシア軍部隊を展開し、既に実効支配している上、ロシア黒海艦隊が3日、半島内のウクライナ軍に4日午前5時(日本時間同日正午)までに降伏しなければ攻撃するとの最後通告を出したという報道もあり、そのような楽観的な想定通りに事態が着地するかどうかは流動的です。もちろん、大方の予想通りに、ことが運べば問題ありません。

 しかし、怖いのは、それが裏切られた時です。この手の問題が起きたときは、「大丈夫。衝突はないよ。」と考えるよりは、「衝突の可能性がないことが見極められるまで、待とう。」とした方がよいでしょう。まさに、「君子危うきに近寄らず」です。

欧米とロシアの対立長期化で株は下振れしやすくなる

 特に今回は、領土問題が絡んだ国際紛争です。

 ちなみに一部報道では、「プーチン大統領は自ら主導する経済統合「ユーラシア経済同盟」に、約4500万の人口を抱える旧ソ連第2の大国で、同じ東スラブ民族の兄弟国ウクライナが加わることが不可欠だとみなしてきた。ロシアは2008年夏、南オセチアなど親ロ派の民族地域を攻撃したグルジアと紛争を起こし、2つの民族地域の独立を一方的に承認。支援する分離・独立地域をテコに、親欧米派に転じたグルジアに影響力を行使してきた経緯がある。ウクライナでも同様に親ロ派の分離地域をつくり、親欧派政権に圧力をかけていく戦術とみられる。」とあります。ロシア側の目論見はこの報道の通りだと思います。

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