焼肉店の人気メニューのひとつである「牛タン」は比較的原価が高い。

 牛タンは枝肉には含まれず流通上は内臓に分類される。舌は1頭から1本(1〜2kg)しか取れないのだから典型的な希少部位だ。食肉卸業者が語る。

「全国の食肉センターで処理されるのは一日1000頭前後とされる。1万以上ある焼肉店に国産のタンが行き渡るはずがなくほとんどが輸入モノだが、輸入価格も値崩れしづらい。焼肉店の原価としては100gあたり150〜200円くらいはしてしまう。

 ただし格安店の“工夫”としてはタンの先端を使う手がある。タンは根もとに近づくほど脂肪が多く柔らかい。高級店が厚く切って出すタンは根もとに近い部分。舌の先端部分は細くなっていて硬いから使わずに捨てる。

 この部分を使えばコストを抑えられるので、食べ放題メニューにタンを入れている店では、先端側をできるだけ薄くスライスして出しているケースがある。

 そうしたタンはもとの肉を折り曲げるなどしてから筒状のケースに入れて圧縮し、結着剤を使用して形を整えてからスライスしている。そのため先端だからといってサイズが小さいとは限らないが、薄くてまん丸になる」

■文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)

※SAPIO2014年3月号