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いつごろからか、本社移転は株価のマイナス材料といわれてきた。引っ越しを機に業績にブレーキがかかる企業は少なからずあるが、一方で本社移転で新たな成長ステージに入るケースもある。

1997年に山一證券が自主廃業し、翌1998年には日本長期信用銀行が経営破綻した。山一の倒産は東京・隅田川沿いの高層ビルへの移転後で、リストラを兼ねた本社機能の集約が移転の狙いだった。長銀は中層階部分だけが細い奇抜なデザインの新本店ビルが人々の印象に強く残ったせいか、「新本社は鬼門」と意識されるようになった。

最近では、東京・銀座から横浜市へ本社を移した日産自動車。昨年、業績が経営計画に届かず、業績好調なトヨタ自動車やホンダなどと明暗を分けた。

また、本社を移したばかりのキリンは今年1月、ライバルのアサヒに株式の時価総額で初めて抜かれる屈辱を味わうことになった。

ただ、本社移転は悪い話ばかりではない。スターバックス コーヒー ジャパンは昨年3月に本社を移転したが、消費回復と積極出店がかみ合って業績は好調そのもの。自動車用タイヤ世界一のブリヂストンも昨秋に本社を移転したが、こちらも円安と自動車販売の増加に乗って、成長トレンドを一段と強めている。NTTも昨年末に本社を移したばかりだ。このほかにも、本社移転の例はあり、どうやら悪い話と結びついた例だけがクローズアップされてきただけのようだ。

今年は西松建設が本社移転を予定している。また、「パズドラ」をヒットさせたガンホーは法人税率の低いフィンランドへの本社移転を検討しているという。

都心部の再開発が進むにつれて大企業の本社移転が相次ぐとみられるが、これらの会社の業績が上向けば、「本社移転は買い」が新たなジンクスになるだろう。

この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。