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昨年12月の定例記者会見で日銀の黒田東はる彦ひこ総裁は、「量的・質的緩和はオープンエンド(無期限)か?」という記者の質問に対して、「はい、そうです」と答えた。

黒田氏は、日銀総裁に就任までの過程で「2年で消費者物価2%」を強く打ち出し、デフレ経済からの脱却を果たせなかった当時の白川方まさ明あき総裁らの金融政策を全面否定した。

リフレ派と呼ばれる黒田総裁とその右腕である岩田規久男副総裁が推進する「リフレーション」では、達成の期限を切らないインフレ目標は欠陥、との考え方が主流だ。

「2年で、2%の物価目標」と期限を区切ったのは、日銀の強い意志を示すことでインフレ期待を醸成するため。つまり、「日銀が期限を区切ってまで目標を示しているのだから、物価は上がるだろう」という期待を持たせるためだ。現在の景気回復の兆しもこのインフレ期待が根底にある。

爍嫁〞という期限を切っているにもかかわらず、「量的・質的緩和はオープンエンド」との答えは明らかに矛盾する。本来であれば、量的・質的緩和の期間は、「消費者物価が2%上昇するまで」あるいは「2%の上昇が展望できるまで」と答えるべきだった。

そこには、予想通りに景気の回復が進まず、消費者物価が上昇しないことに対する黒田総裁の苦悩が垣間見える。加えて、消費税の引き上げが行なわれる4月以降は、景気の減速が懸念されている。この状況が思わず、黒田総裁に「量的・質的緩和はオープンエンド」と答えさせてしまったのだろう。

こうした状況を考えれば、黒田日銀は追加の金融緩和に打って出る可能性が高い。それも消費税が引き上げになる4月以前の3月もしくは2月に実施するかもしれない。

ただし、黒田日銀総裁は「異次元緩和」発表時に、「今できることは、すべて行なった」と述べており、追加の金融緩和策実施と矛盾する。それだけ、黒田日銀は追い込まれているということなのだろう。

くしくも、米国ではQE3(量的金融緩和第3弾)の縮小が進められている。その影響により、新興国からの資金流出懸念が起こり、世界の金融市場が混乱した。

これに対して、さらなる量的緩和に踏み出そうとする日本。この対照的な金融政策は、今後の景気にどのような影響を与えることになるのか。要注目だ。

この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。