タレントの武井壮さんが「東京五輪出場を目指す」と宣言したことで注目された「近代五種」。実は、ほかのどの競技よりも五輪に出場できる確率が高いというウワサがあり、ひそかに注目されている。

いったいどんな競技なのか? まず、簡単にルールを説明しよう。

・フェンシング(1分間1本勝負)

・水泳(200メートル自由形)

・馬術(用意された馬での障害飛び越え競技)

この3種目をそれぞれ規定の得点に換算し、[4点=1秒]として上位の選手から時間差で以下の2種目をスタート。

・射撃(50秒の時間制限の中、的に5回的中×4回)

・ランニング(800m×4回)

そして、ゴールした順位が最終順位となる。

体力はもちろん、技術や集中力などが必要とされ、むしろ精鋭アスリートたちが集まるイメージだが? 日本近代五種協会の市川祥宏事務局長は、こう語る。

「何しろ日本の競技人口は、群を抜いて少ないですからね。北京五輪まで射撃は実弾だったので、日本では銃刀法の事情で警官や自衛官以外参加できなかったんです。それもあって現在の競技人口は全国で30人です」

全国で30人?

「現在はレーザー銃に変更となり、高校生でも挑戦が可能となりました。東京五輪の予選までに60人になるのが目標です」(市川事務局長)

確かに、“数字上”では五輪に出場できる確率が高そう。とはいっても、馬術とか普通の人には無理なんじゃないでしょうか?

「馬術の経験が必ずしも生きてくるとは限りません。あらかじめ用意された馬を抽選で決めて乗るんですから。ある種、運次第なところがありますよ。言ってしまえば、近代五種は実力が絶対の競技ではないんですよね」(市川事務局長)

なるほど。あと6年あれば、3種目くらいならそこそこのレベルまでいけるかも!

「世界に目を向けても、5種目すべてが完璧な選手なんていませんからね。1、2種目が国体出場レベルであれば十分。有利なのは、技術より才能がモノをいう“走ること”が得意な人です。残りの3、4種目は6年、いや3年かけて上達すればいい。日本代表の山中詩乃選手は、競技歴1年半でロンドン五輪に出場しましたよ」(市川事務局長)

1、2種目が国体出場レベル……。最後の最後で、やっぱり一般人には厳しいことが判明してしまった。

2019年の世界選手権、大陸予選の結果で日本の出場枠が決定し、その出場枠内において、同年の日本選手権で活躍した選手が上位順に出場できるこの近代五種。「自分ならイケるかも?」と思った人、武井壮のライバルになってみては?

(取材/大野智己)