3月1日(土)に開幕する2014年のJリーグ。W杯ブラジル大会も控える今シーズンは、日本代表入りを目指す選手たちの代表争いにも注目が集まります。

特に、混迷を極めるのが、未だに代表のレギュラーが確定していないフォワード(FW)。大久保嘉人(川崎フロンターレ)、柿谷曜一朗(セレッソ大阪)、佐藤寿人(サンフレッチェ広島)、豊田陽平(サガン鳥栖)、川又堅碁(アルビレックス新潟)、工藤壮人(柏レイソル)、李忠成(浦和レッズ)、齋藤学(横浜F・マリノス)、南野拓実(セレッソ大阪)など、候補者は多いです。セレッソ大阪には、ウルグアイ代表のディエゴ・フォルランが加入。ワールドクラスのプレイを身近に感じ、感化される日本人選手も多いかもしれません。

サッカーの花形は、点取り屋であるフォワード。そのフォワードを失ったことで、サッカーをのスタイルを変えざるを無くなったのが、今季からJ1に復帰するガンバ大阪です。

攻撃的なパスサッカーを得意とするガンバは、得点も多い分、失点も多い、独自の「ガンバ・スタイル」を築いているチーム。J1史上最多の通算244勝を誇る西野朗監督が就任した2002年に作り上げたスタイルですが、就任当初から現在のパスサッカーを展開していたわけではありませんでした。

「失礼な言い方になるけど、これといって特徴のないチームだった」

こう語るのは、西野氏が就任する1年前に京都サンガから移籍してきた遠藤保仁選手です。続けて、遠藤選手は当時のチームの内情を説明します(書籍『Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か』より)。

「長身FWのマグロンがいたので、まずそこへ当てて、というより逃げてという感じでしたね。大きい選手が前線にいると、どうしても苦しいと使ってしまう。それではパスをもらう動きの質が高くならないし、全体に大雑把になる。つなぐ意識は全然できていなかった」(遠藤選手)

頼りになる長身フォワードが前線にいたため、当時のガンバにはパスでボールをつなぐ意識がほとんどなかったそうです。それが変わったのは2004年のことでした。

「変わったのは、僕の記憶が正しければマグロンがいなくなってから(笑)。マグロンが試合に出なくなって、パスをつなぐしかなかった。西野監督からパスサッカーでいこうという話もなかったと思う。変わるきっかけというと、マグロンくらいしか思いつかない」(遠藤選手)

遠藤選手によれば、パスサッカーは明確な区切りもなく、突然始まったとのこと。"なんとなく"うまれたのが、常勝・ガンバ大阪の攻撃的なパスサッカーだったのです。その後、爆発的な攻撃サッカーでJリーグ、天皇杯、ACLを制覇。昨シーズンはJ2での戦いを余儀なくされましたが、今季は昇格即優勝も狙える陣容でJ1に挑みます。

J1復帰初戦はホームでの浦和レッズ戦。「ガンバ・スタイル」、10年目のシーズンが始まります。



『Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か』
 著者:西部謙司
 出版社:東邦出版
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