2015年以降の相続は波乱含みだ。都心に自宅があれば、ほかに大した資産がなくても相続税が発生する可能性があるからだ。その上、土地を売って納税資金を捻出する際の特典もなくなる。もともと、相続は早めの対策が肝心である。親族の話し合いがこじれれば、申告の期限の10ヵ月はあっという間に過ぎる。相続対策は「相続が発生する前」に行うことが鉄則だ。

では、何をどう進めていけばいいのか。知らないと損する最新マニュアルをお届けしよう。第1回は、2015年以降に導入が決まった「基礎控除の4割削減」と「譲渡所得の課税特例見直し」という増税策の影響を試算し、対策を探る。
(ダイヤモンド・セレクト4月号「相続・贈与・事業承継」編集部)

土地持ちに大打撃となる
“増税の隠し玉”

 Nさんは十数年前に父親を亡くした。自宅以外にも駐車場や田舎に土地があり、1億円に上る資産は全て母親が相続している。

 当時は長引くデフレで土地の評価額が低く、また配偶者の税額軽減で相続税はかからなかった。だが、次回の母親からの相続では500万円の相続税がかかりそうである。

「それでも田舎の土地を売れば、相続税を払っても代金の半分くらいは手元に残るはずだ」。そう考えていたNさんだが、もし、2015年以降に母親の相続が発生すると、その目論見は大きく崩れる。

 15年から相続税の基礎控除額が4割も引き下げられるからだ。現在、相続税の基礎控除額は「5000万円+1000万円×相続人の人数」。一人息子のNさんの場合は6000万円となる。

 しかし、15年からはこれが「3000万円+600万円×相続人の人数」となるため、Nさんの場合は3600万円にまで圧縮されてしまう。その結果、相続税は14年末までの相続開始なら500万円だが、15年以降は1220万円にまで膨らんでしまうのだ。

 それだけではない。

 まだ大きな話題になっていないが、昨年末に発表された14年度税制改正大綱には、土地持ちにとって大打撃となる“増税の隠し玉”が盛り込まれた。「譲渡所得の課税特例の見直し」である。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)