岩松正記(いわまつ・まさき) 通称“ぶっちゃけ税理士”。東北税理士会所属。山一證券では同期トップクラスの営業成績。アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場準備担当役員や会計事務所勤務など、10年間に転職4回と一時期無職になった経験を活かし、創業から事業承継・M&Aまでを網羅して中小企業を支援。何事にも本音でぶちあたるその姿が共感を呼び、政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道ナンバーワン(全国3位・起業相談部門)となったほか、メガバンクや企業での講演、プレジデント・日本経済新聞への掲載などマスコミ取材も多数。関与した経営者は2000人超。元査察の税理士に仕えていたため、税の世界の裏事情にも詳しい。

大反響を呼んだ本連載もいよいよ最終回!今年の確定申告の目玉は「特定支出控除」だという。
そこで、『【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための「個人か?会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』の著者で、“ぶっちゃけ税理士”の岩松正記氏に、1円でも多くお金を取り戻す方法を教えてもらおう。

今年の確定申告は「特定支出控除」に注目!

 いったい何人のサラリーマンが「特定支出控除」の申告をするのだろうか。
 今年の確定申告で、非常に注目されていることの一つが、特定支出控除です。
 と言っても、もしかしたら我々の税理士業界だけが盛り上がっているだけかもしれませんけど(笑)。
 特定支出控除とは、給与所得者が自腹で支出する通勤費や研修費などを、給与所得控除に上乗せして年収から控除できる制度です。
 従来は下記1〜5の個人負担分の支出が「給与所得控除額」を超える場合に限り、この超えた分にかかる税金を、確定申告することで取り戻すことができるというものでした。

1.通勤費
2.転居費用
3.職務に必要な研修費
4.職務に必要な資格取得費
5.単身赴任などの場合の、自宅と勤務地を行き来するための旅費

 こう見ると、何だかできそうな感じはするのですが、実はこれがほとんど利用されていない制度でして、最近わかっている分では、2007(平成19)年でわずか7人、2008(平成20)年で6人しか特定支出控除の申告はしていません。

 よくよく見てもらえばわかるのですが、1〜5の費用はほとんどの場合に会社が出してくれる費用なのですね。
 ですので、ほとんど個人負担というのはないわけです。
 しかも、意外と「給与所得控除額」というのは金額が大きくて、たとえば年収400万円の場合は134万円、500万円の場合は154万円と、給与収入の3割くらいにまであります。
 ですので、仮に上記費用が全部個人負担だったとしても、給与所得控除を超えるということはほとんど不可能に近かったのでした。

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