フィギュアスケート日本代表として金メダルを期待されながら、ショートプログラム(SP)ですべてのジャンプをミス。まさかの16位という出だしとなった浅田真央選手が、たった一晩で別人のように素晴らしいフリースケーティング(FS)を披露し、驚きと感動が広がっています。
浅田選手はなぜこのような力を出すことができたのでしょうか。

浅田選手を励ました各国の選手たち

浅田選手がSPでミスを連発し、メダルは絶望的だと判明した時の驚きと衝撃は日本中を沈ませてしまいました。そんな中、世界に向かって「浅田真央を応援しよう!」とツイッターで呼びかけた選手がいます。それはソチ五輪男子シングルで17位となったウズベキスタンのミーシャ・ジー選手だったのです。

「真央の点数はとても残念だった。多くのファンも同じだと思うけど。でも、フリープログラムが良くなるように、諦めずにより一層のサポートを!」

ミーシャ選手はツイッターで#GOMAO、#MaoFight!のハッシュタグをつけて、世界中に浅田選手を励ますメッセージを呼びかけました。これによって、たった一晩の間に世界中のトップスケーターから浅田選手にあてて素敵な応援メッセージが驚くほどたくさん寄せられたのです。

●アメリカ ジェレミー・アボット選手(ソチ五輪男子シングル12位)
「今、自分の心が崩れる音がした! マオは偉大なチャンピオンだから、明日はこれまで以上に強くなると信じている」

●アメリカ クリスティー・ヤマグチ(アルベールビル五輪女子シングル金メダル)。
「浅田真央選手に関しては、とても心が痛みます。このプログラムは個人的に一番のお気に入りなので、彼女本来の滑りであったらどんなに素敵だったか・・・本当に残念」

●カザフスタン デニス・テン選手(ソチ五輪男子シングル銅メダル)
「マオの事を考えると心が痛む。練習仲間だった時期があったけど、彼女は才能があるだけでなく、とても練習熱心で、しかも人柄も素晴らしいんだ。」

●アメリカ ジョン・コフリン選手(ペア)
「マオの上品な優雅さは、教わって身につくものではない。もし彼女(の演技)に3つのジャンプ全てなかったとしても、それでも観たい」

●スペイン ハビエル・フィルナンデス選手(ソチ五輪男子シングル4位)
「真央にとっては大変な一日だった…。でも君は変わらず素晴らしいよ! 僕のお気に入りの選手の一人なんだ」

●アメリカ ダグラス・ラザーノ選手(男子シングル)
「マオの事を考えると心が痛む。マオは歴代お気に入り選手の一人で、(何があっても)ずっとそうあり続けるから・・・」

●カナダ ジョアニー・ロシェット(バンクーバー五輪女子シングル銅メダル)
「ミスはとても残念だけど、私はこの(スコア)55.51を出したプログラムが大好きよ」

●アメリカ ジェイソン・ブラウン(ソチ五輪男子シングル9位)
「彼女本来の演技ではなかったけど、落ち着いたふるまいは…まさに、真のチャンピオンならでは!」

●カナダ エルビス・ストイコ(リレハンメル、長野五輪銀メダル)
「マオにとってタフな試合となってしまった。こんなにも素晴らしいスケーターなのに。美しいスケーターがFSで挽回できるよう望みます」

●アメリカ ジェフリー・バトル(トリノ五輪男子シングル銅メダル)
「何てことだ! でもマオに最大級の賛辞を。 彼女は技術的だけでなく、芸術的にも限界をどんどん上げてくれてきた」

●ジェフリー・バトルの母
「マオの事を考えると心が痛む。彼女はいつだって勇敢な、強い選手! 明日のフリーは、解き放たれて自由に滑りなさい!」

心が一つになった素晴らしい五輪

これらのメッセージを読むと、浅田真央選手がどれだけ世界中に愛され、尊敬され、評価されていたかがわかります。
浅田選手の結果は6位とメダルには届きませんでしたが、世界中の暖かい思いがこれだけひとつになり、彼女に注がれたからこそ、あの素晴らしいフリースケーティングができたのではないでしょうか?
このことは、金メダル以上に素晴らしい出来事として皆の胸に刻まれたに違いありません。

Written by 杉本レン
Photo by 浅田真央そして、その瞬間へ [ 吉田順 ]/学研教育出版