2014年はどう動く? 最新! 債券発行の動向と利率の状況
発行額は多かったが、利率の低かった2013年の社債発行状況。これに対し、2014年は発行件数がさらに増えるうえに、利率条件も個人投資家に有利に働きそうだ!

景気回復で金利先高観。社債の利率は上昇へ!

2013年は、社債の発行額は多かったが利率が低すぎて、個人投資家に有利とはいえなかった。2014年の個人向け社債の発行額と利率動向はどうなるのだろうか?

2013年は、株高・円安と市況は順調だったが、量的金融緩和を背景に超低金利が持続。企業にとっては歴史的な低利率で社債を発行できた。しかし、2014年は株高警戒感がある一方、景気回復を背景にいよいよ市場金利は上昇傾向に転じるとみられる。

だからこそ、「2014年は狙い目の年」と前川さんは強調する。

「個人向け国債の『変動10年』12月募集分の金利は年率0・43%(税引き前)。これでは個人投資家に見向きもされない。しかし、いったん市場金利が上昇し始めると変動型の利率はすぐに反応し、あっという間に0・8%、1%と上がっていくでしょう。そうなると、犢愼してもいいかな〞と思う投資家が一気に増えます。個人向け国債が人気になると、国債よりリスクの高い社債はその上をいく利率をつける必要が出てくるのです。このタイミングは重要。個人投資家にとっては、願ってもない投資タイミングがやって来ます」(前川さん)

発行体として多いのは、金融機関、メーカー、商社など。電力・ガス、通信、電鉄などのインフラ産業も一定の起債ニーズがある。なかでも、金融機関は2008年のリーマン・ショック時に劣後債を多く発行。その借り換えのために、債券発行が必要なので、2013年は海外での発行を増やしたとみられる。

しかし、海外での金融緩和が一段落すると、低金利での調達が難しくなる。金利が上昇する前に国内での起債に駆け込んできそうだ。新規投資や大型の企業買収でメーカーも資金需要は旺盛。企業側の起債ニーズが高いとなると、2014年は債券市場から目が離せない状況だ。

前川 貢
前川FP事務所アドバンス代表

1961年、東京都生まれ。大和証券に入社し、主に債券部門に従事。2003年、独立。 著書に『いま債券投資が面白い』(近代セールス社)、『あなたの投資信託選びは間違ってないか』(日本経済新聞出版社)など。



外国人投資家は日本の債券市場をどう見ている?

2014年は、世界第1位の債券市場である米国がテーパリング(量的金融緩和の縮小)が進む中、外国人投資家の投資意欲は、世界第2位の市場を持つ日本へと向かうでしょう。日本はさらなる量的金融緩和を期待されており、徐々に落ち着きを取り戻した新興国の投資マネーも流入してきそうです。

また、低金利かつ通貨安が予想される円は、調達通貨としても注目されるでしょう。特に資金需要の大きい新興国は資金調達の多様化、国際化からも「サムライ債」(海外の企業が日本国内において、円建てで発行する債券)への関心を高めています。サムライ債は外国の政府や優良企業の債券に為替リスク無しに投資できるのが魅力です。新興国がサムライ債を起債するケースが増えそうですが、投資適格債ばかりではなく、条件や金利も見て、投資を考えてはいかがでしょうか。

加藤 進
金融アナリスト

ゴールドマン・サックス証券、クレディ・アグリコル証券等でチーフ債券ストラテジストなどに従事。現在は中国の華東師範大学国際金融研究所客員教授を務める。



この記事は「WEBネットマネー2014年3月号」に掲載されたものです。