サーカスをコンセプトにしたラッキーピエロの店内。店舗ごとに異なるメニューが提供されている。

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 沖縄にジェフ(Jef)というハンバーガーショップがある。4店舗しかないのだが、当地ではA&Wと並んで人気のハンバーガーショップということで、昨秋、学会で沖縄に行ったときに立ち寄ってみた。ちょうど週末のお昼時、店内にいた顧客の多くは地元のファミリー層であった。

 メニュー(クリックすると外部サイトへ移動します)にはゴーヤが入ったゴーヤーバーガーがあるなど、いわゆるご当地バーガーの部類に入るわけだが、店内で気づいたことはハンバーガー以外のものを食べている人が多かったことである。隣のテーブルではタコライス、別の隣のテーブルではパスタ、しかも家族の中でも、ハンバーガーを食べる人がいれば、パスタを食べる人がいるように、皆バラバラのものを食べているのである。

 ここはハンバーガー屋さんでありながら、ハンバーガー屋さんではないんだな、そういう強烈な印象を得た。また、メニューをご覧いただくと分かる通り、たくさんの種類の商品がある。初めて行ったお店ということももちろんあるが、どの商品を選ぼうかと迷う過程が楽しかった。店員さんは沖縄ということもあり、イライラすることもなくこちらが商品を選ぶのをニコニコと待ってくれた。

商品を選ぶ楽しみを失っていないか

 ひるがえって、マクドナルド(日本マクドナルドHD:2702)。マクドナルドにはよく子供(6歳と2歳)を連れて訪れる。が、注文する商品を迷うことはほとんどない。子供はハッピーセット、私はチキンクリスプかエビフィレオ。何年もマクドナルドに行っているものの、オーダー時はほぼ思考停止しており、商品を選ぶ楽しみは残念ながらそこにはない。

 マクドナルド自身も、一時カウンターのメニューを廃止して顧客がオーダーにかける時間を短縮化しようとしたことがあった。客にすぐにオーダーを決めてもらって(決めさせて)、顧客の回転率を高める、そして収益力をアップする。経営学的には正解だ。しかし、その過程では顧客は選ぶ楽しみを失っている。

 一方、ファミレスでは選ぶ楽しみがある。また、コンビニでもしかりだ。

非日常性の重要性

 沖縄から北に2000キロ以上の函館。ここにはラッキーピエロという全国ご当地バーガーNo.1に輝いたハンバーガーチェーン店がある。函館周辺に16店舗を展開しており、圧倒的な人気を誇る。札幌から函館に出張に行くと必ず立ち寄るという人も多い。

 サーカスをコンセプトにしており、店舗づくりにもそれが大いに反映されている。どこ店舗も外見も内装も非常に個性豊かだ。私が昨年のGWに訪れた店舗の内装は写真のようであったが、どこかアメリカンなポップカルチャーの雰囲気が漂い、非日常的な空間がそこにはあった。

 この「非日常性」は、実は外食産業にとって非常に重要な点である。どの外食チェーンも効率化を追求するあまり、画一的になってしまった。その結果、あくまでも私たちの日常の延長の存在になってしまっている。

 しかし、かつてのマクドナルドやファミリーレストランがそういう存在であったように、顧客は外食に非日常的なワクワク感も求めるものである。非日常性の提供と効率的なオペレーション、これらを両立させることは容易ではないだろうが、マクドナルドの復活のカギの一つはここにあるのではないだろうか。

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