岩松正記(いわまつ・まさき) 通称“ぶっちゃけ税理士”。東北税理士会所属。山一證券では同期トップクラスの営業成績。アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場準備担当役員や会計事務所勤務など、10年間に転職4回と一時期無職になった経験を活かし、創業から事業承継・M&Aまでを網羅して中小企業を支援。何事にも本音でぶちあたるその姿が共感を呼び、政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道ナンバーワン(全国3位・起業相談部門)となったほか、メガバンクや企業での講演、プレジデント・日本経済新聞への掲載などマスコミ取材も多数。関与した経営者は2000人超。元査察の税理士に仕えていたため、税の世界の裏事情にも詳しい。

確定申告がスタートしたいま、フリーランス、個人事業だけでなく、副業サラリーマンにとっても、1円でもお金を取り戻す絶好の機会。
そこで、『【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための「個人か?会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』の著者で、ぶっちゃけ税理士こと、岩松正記氏に、副業サラリーマンが確定申告で注意すべきことを語ってもらった。

不心得者のせいで、サラリーマンが狙われる時代になった!

 最近は、副業サラリーマンに対する偏見もかなり少なくなったように思えます。
 ある意味、副業が市民権を得るようになったとも言えるでしょう。
 しかし、その一方で、相変わらず将来への漠然とした不安など、サラリーマンだけの生き方では今後生計を維持するのも難しくなる一方です。
 今後、ますます副業をするサラリーマンは増えると思われますが、税金に対する関心も高まってくるのは当然ではないでしょうか。

 その結果、昨年ある事件が起こりました。
 ちょうど1年前の2013年2月に、「個人事業主コンサルタント」と称して脱税指南を行っていた会社が摘発され、代表者が逮捕されたのです。
 詳しくはのちほど紹介しますが、その手口は大変幼稚で、私たち専門家から見たら呆れるものなのです。
 しかし、このコンサルタントに「節税」を依頼した顧客が数十人もいたということに衝撃を受けました。
 税金について関心を持つ人が増えてくるのは大変喜ばしいことなのですが、それにともない不心得者も増えているということなのですね。

 サラリーマンが副業を行った場合、それがスポット的なものであれば雑所得、「反復継続して事業性があるもの」であれば、事業所得という扱いになります。
 この事業所得において、青色申告や白色申告があるのですが(これについては次回説明します)、事業所得はサラリーマンの給与所得とはそれぞれ別に計算して所得を出しておいて、税金を計算するときに合算することになっています。

 これを「損益通算」と言うのですが、この仕組みからわかるように、事業所得がプラスだったら給与所得と一緒になって所得が増えるので税金が増えることになり、事業所得がマイナスだったら給与所得と一緒にしたら所得が減るので税金が減る、ということになるのですね。
 これが損益通算のメリットの一つです。

 給与所得は、会社で年末調整をして税金に関する計算は終わっていますので、赤字の事業所得を合算すれば、赤字分の所得税が戻ってくることになるのですね。
 上記の脱税コンサルタントの手口は、架空の事業をでっち上げるという悪質極まりないものでした。
 やってもいない副業をやったことにして書類をつくり、赤字で確定申告をさせて税金を還付させたわけです。
 しかもバカバカしいことに、依頼者の多くがこのコンサルタントに支払った手数料は還付される税金の金額よりも多かったとか。
 呆れてものが言えませんが、雑所得は損益通算ができません。だから事業所得であるように装ったわけです。

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