話題のNISAがついにスタートした。投資信託なら100万円の非課税枠ピッタリまで買えるが、どんな商品を組み合わせるのがベストなのか?25人の専門家のチョイスを一挙公開!

ハイリターン追求か?それとも堅実志向か!?

さあ、いよいよ年明けとともにNISA(少額投資非課税制度)がスタートした。英国のISA (Individual SavingsAccount=個人貯蓄口座)を参考に導入された制度のことで、その日本版だからNIPPONの爍〞を付けてNISAというネーミングなのだ。英国では、今や国民の約4割が利用しているという。

ともかく、年間100万円ずつ、5年間で500万円の投資によって得られたリターンが「すべて非課税」となるのだから、利用しない手はないだろう。ならば、NISA口座ではどういった金融商品を運用するのが最も有利なのか?

元手が何倍に化けても税金がゼロなのだから、「ハイリスク&ハイリターンを追求すべき!」という声がある一方で、「損失が出ても他の利益と損益通算できないデメリットに気をつけて!」とのアドバイスもある。こうした中、株式に注目する人が多いものの、100万円という非課税枠にピッタリ合わせて購入できるという点では、投資信託のほうが適しているといえそうだ。

そこで、25人の専門家にNISA向きの投信50万円ポートフォリオクションを組んでもらった!

今さら聞けないNISAまとめ

・口座開設は20歳以上の成人、1人につき1口座だけ
・毎年、100万円までの投資が非課税に
・投資対象は上場株式等、と株式投資信託
・損失が出た場合の損益通算はできいない
・住民票を金融機関に提出する必要がある
・保有投資信託をNISA口座に移管することはできない

※ 上場株式等=株式、REIT(不動産投信)、ETF(上場投信)。

その1 グローバルなお金の流れに注意!

円安を想定してユーロ型の投信に多めに配分
カブドットコム証券の投信ラインアップから4本を選択した。円安が進む場面を想定して、「好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース」はユーロを選択。50万円のうち15万円を投入。「ワールド・リート・オープン(毎月分配型)」にも15万円投入。
中国との領土問題で衝突があった場合、世界のマネーはどこに流れるかだが、基本は米国に流れていくだろう。しかし、スイスという選択肢もあることから選択した「スイス・グローバル・リーダー・ファンド」に10万円。残りを現在は販売停止中だが、投信積立なら買える「JPMザ・ジャパン」に10万円という配分。

木村佳子
経済評論家
日本チャート分析家協会代表。カレンダー投資など個別投資家向けの資産運用法を提唱する。

その2 上昇したら利益確定を忘れずに

出口戦略が重要なNISAでの投信選び
NISAを活用して4つの投信を組み合せた運用だが、実際の投信選びでは運用目的に合わせて、商品数にこだわらずに選びたい。NISAは、利益を確保しない限り非課税の恩恵を受けられないので注意しよう。
「ハイブリッドセレクション」は、株式市場のトレンドに合わせて運用ができる変幻自在のファンドだ。外債ファンドは先進国債券が中心。新興国債券は為替ヘッジありを選び、リスクを少なめにした。「アジア・オセアニア小型成長株ファンド」は、売買高比率を高めて収益を積み上げていくファンド。逆張り的な視点から加えてみた。

深野康彦
ファイナンシャルリサーチ
さまざまなメディアを中心に、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説く。業界歴25年目のFP。

その3 長期保有しても安心・確実な投資を

売却して回せないNISA口座の特性を意識
口座の特性を生かして、自動的にリバランスができるバランス型投信、運用の効率性を高める決算回数の少ない投信を選択。
「JPMワールド・CB・オープン」は世界のCB(転換社債)が投資対象。為替ヘッジをしており、高コストだがリスクに対して高リターンだ。「eMAXISバランス(8資産均等型)」は株・債券・REIT(不動産投信)の8資産に均等配分。「マイセレクション50」「マイセレクション25」は、株と債券が投資対象だが「50」のほうが株式比率が高い。コストが低く、リスク・リターンの水準が異なるバランス型投信を組み合わせて投資をすることで、ずっと保有し続けても安心。

中村 宏
ワーク・ワークス
個人相談、セミナーの講師を通して、暮らしのお金の賢い使い方、増やし方をアドバイス。

その4 分散投資でリスクを低減

8資産に分散するバランス型を30万円投資する
NISA口座の中では、損失は税務上はゼロとして扱われてしまうので、値動きの大きなファンドはあまり向いていない。
したがって、まずは8資産に均等に分散している「eMAXISバランス(8資産均等型)」を30万円分購入してリスクを分散し、さらに10万円で独立系運用会社レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」を購入します。そして残りは、5万円ずつで新興国株式とコモディティ(商品)に投資しているファンドを5万円ずつ購入。これでかなりの種類の資産を保有したことになるので、NISA口座に合った分散投資になる。

※DC=確定拠出年金。

菱田雅生
ライフアセットコンサルティング
FPやDCをテーマとした年間200回前後のセミナーの講師や、相談業務、原稿執筆に従事。

その5 50万円で世界中をカバー

2014年からは米国中心の上昇率に期待大
損失は手痛いNISAだけに、多面的に挑みたい。注目は先進国株式で、特に米国が牽引する可能性が高いと考えている。
一方、日本株では中小型や東証1部銘柄でも鞍替えして上場歴の浅い銘柄に期待。
さらに、インフレを考慮して物価連動国債を加えたい。物価連動国債は、現状、個人が直接購入できないため投信のみとなる。実際に物価が上昇した場合、投信ではある程度の信託報酬を加味すると、連動性を発揮しても確実に負けてしまうのが税金部分であった。 その点、まさにNISA向きの投信といえるだろう。

野尻美江子
ファイナンシャルリサーチ
マネー誌や女性誌、新聞、各種サイトへの執筆や取材協力に加え、テレビ・ラジオにも出演。

その6 東京五輪開催決定で主役は日本!

インデックスを中心に円安メリットのある組み合わせ
2014年はオリンピックとアベノミクス効果で好調な日本経済が見込まれるため、国内の株式と不動産を主役に2つ選択。ともに指数連動型のインデックスファンドで、販売手数料は無料。信託報酬も抑えられている。
さらに、資源や新興国など直接投資が困難で、今後も発展が見込まれる投資対象を加えてみた。これにより円安局面には為替差益のメリットも受けられるなど、通貨分散も可能に。どちらも、分配金は毎月分配型より非分配、1年決算型など分配回数が少ないほうが非課税枠を維持しながら最大限にNISAのメリットを受けることができる。

山田章子
生活経済ジャーナリスト
幅広い実践投資でタイムリーな投資対象を導き出す。ファイナンシャル・プランナー。

その7 長期間でかかるコストは無視できない

信託報酬を抑えながら、損失リスクの小さいファンドを狙う
コストを抑えなければ節税メリットは最大化できない。NISAは長期投資向きなので、まずはノーロードながら信託報酬も低いインデックスファンドを狙っておきたい。国内株式型と外国債券型を組み合わせてみた。
一方で、非課税の恩恵を確実に享受するべく損失リスクはできる限り回避しておきたい。また、リスクコントロールを前提にしたバランス型投信もオススメ。先進国と新興国の株式・債券にオルタナティブ運用(代替運用)する「楽天みらいファンド」、1年ごとにリバランスを行なう「楽天資産形成ファンド」が相場の下げ局面には強みを発揮する。

西原憲一
UFPF
暮らしのマネー全般に精通し、FPコンサルティングのほか、セミナー講師、書誌執筆も多数あり。

その8 期間いっぱいの5年間で値上がり期待

キャピタルゲインを狙って株式ファンドに
NISAは、利益が大きければ大きいほど非課税メリットが生かせるので、値上がり益が期待できるファンドをピックアップした。
日本株アクティブファンドでは「ひふみプラス」。独自の銘柄選択で高いパフォーマンスを上げている。分配金がないのもNISA向き。大型優良株中心の「コモンズ30ファンド」と組み合わせると分散効果あり。
テーマ型ファンドで実績があるのが「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)」。話題のシェールエネルギー関連銘柄に投資する「DIAMシェール株ファンド」は、これからの大きな成長が期待できる。

馬養雅子
オフィス・カノン
資産運用やマネーに関する記事を新聞や雑誌に数多く執筆。

その9 分散、値上がり、グローバルを意識して

株を中心にREIT、債券も組み込んだ投信群
この4本はノーロードで信託報酬が低く、設定来の騰落率が安定している。「野村インデックスファンド・外国株式」は、北米を中心に国際株式へ投資する期待の一本。「日本新世紀」は、市場平均を上回る配当利回りを有する銘柄を厳選投資するので、日本株の値上がりに期待した一本。「MHAM6資産バランスファンド」は、リスク分散のバランスがとれている。「グローバル財産3分法(1年決算型)」は、国際株、REIT、新興国債券が中心のリスク分散と値上がり期待。これらは値上がり益が非課税となるNISA口座のメリットを享受できる組み合わせだ。

北原奈緒美
ファイナンシャル・プランナー、テクニカルアナリスト
修士(ビジネスロー)。上場会社のIR社長インタビューなどでも活躍。

この記事は「WEBネットマネー2014年3月号」に掲載されたものです。