1月25日の就任会見で、従軍慰安婦について「今のモラルでは悪いことだが、当時の戦争地域には大体つきものだったと思う」などと発言していた、NHK新会長の籾井勝人(もみいかつと)氏。同氏は発言を「個人的見解」としていたものの、その言葉は国内外の多くのメディアが取り上げ、波紋を呼ぶことになった。1月31日の衆院予算委員会で、籾井氏は「誤解と迷惑を掛けて、誠に申し訳ない。非常に不慣れだった」と陳謝し、職務続行に意欲を示している。

しかし、今回の騒動を期に籾井氏のNHK会長としての資質に疑問を持ったものもいるようだ。2月8日放送のTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」では、フリーアナウンサーの久米宏が、籾井氏とNHKに対し激しい非難の言葉を浴びせている。

番組のオープニングトークで、数日中のおもだったニュースについて語っていた久米。NHKの特集番組が話題となっている佐村河内守氏を「別人作曲」騒動前に取り上げていたことに触れ、報道の持つ影響力について持論を語っていた。やがて久米は「マスコミの力ってとっても大きいんです。心しなきゃいけないなって思うんですけど」と、報道する側の責任について言及。その上で籾井氏を話題に挙げたのである。

久米は、かなり腹をたてている様子で「なんで?どう考えたって相応しくない人を、NHKの会長にしたこの感覚ね。誰が責任をとるの?あの人、モミガラだとか訳わかんない人」と、皮肉まじりに籾井氏の会長としての資質に疑問を呈した。続けて「あんな発言をする人を。何が公共放送だ。公共放送って言うんだったら、あんな人物をトップに据えるってこと自体、滅茶苦茶でしょ。わかってるんだから、(籾井氏が)あんな人だって」とNHKを非難。

それでも久米の怒りは収まらず、その矛先はNHKの経営委員にも及んだ。「その(経営委員)中の二人が…何といいますかね、国際的に、とても人前で『こういうこと言ってる人です』って紹介できない人が入ってたりするんです」などと発言し、匿名で批判したのである。

その後も、久米は「NHKの人もつらいと思いますよ?『あれが会長かよ』って」と職員に気を使いつつも、「とにかく酷い。先進国とは思えない人選ですよ」「あんな人がトップに来たら、僕ならやめますよ、NHK」などと、籾井氏を激しく批判し続けた。これだけに留まらず久米は「これからNHKのニュースなどを見る場合、特に政治むきのニュースを見る場合は、眉に四回くらい唾つけないと」などと、NHKの放送内容にも不信感を口にしている。

籾井氏については、1月27日に菅義偉官房長官が「放送法に基づいて職務を果たしていただきたい」とコメントし、NHK会長続投の見解を示している。

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