僕が岐阜の監督に就任し、会見をして練習場に行ったときは、すごい数の観客のみなさんが見に来てくれていた。思わず練習後にみんなで並んで挨拶したくらいだった。
 
 ところがそれから先も凄いんだよ。次の週末も観客のみなさんが集まって、約500人に見に来ていただいたということだった。
 
 観客の多さは合宿で大分に行ったときも変わらない。報道陣のみなさんも詰めかけてくれて、連日賑わっている。
 
 本当にありがたいと思うよ。周りの目が多ければ多いほど、選手は張り切るものだし、見られていると思うと手抜きもできない。ここまで順調にチームが仕上がってきているのは、関心を寄せてくださっているみなさんのおかげだと思うね。
 
 ちょっと残念なのは、あまりに人が多くて全員のサインに応えられていないかもしれないということだ。いろんな都合があって移動しなければならないときは、本当に心苦しい。サインできていない人、ごめんなさい。
 
 僕はファンサービスって大事だと思う。岐阜にはいないけど、「プロはピッチの上で結果を出すことが一番のファンサービス」という考えで、日頃素っ気ない選手もいるらしい。その選手はきっとC・ロナウドやメッシ並みのレベルなんだろう。そうでなければ勘違いしているとしか思えない。
 
 プレーする僕たちも、見に来ている人たちもともに存在しないとプロは成り立たない。同じ仲間として大切にしなければ、サッカーの発展はないよ。
 
 選手たちには初日に言った。「今日、報道陣やファンが来てくれたのはオレのおかげかもしれない。けれど、そこでいいプレーを見せて『今度はアイツを観に行きたい』と思わせろ。そして自分がチームの顔になれ」ってね。
 
 実は同じ台詞を言ったことがある。ビーチサッカー日本代表を率いていたときだ。たくさん集まってくれた報道陣を見て、彼らは本当に張り切った。そして今やブラジルと互角の勝負ができるまでになったんだ。
 
 岐阜にもそうなってほしい。このままみんなが注目し続けてくれたら、きっとなると僕は思っている。