すぐ実践できる!子育てファミリーのお金事情を良くするポイントは2つ

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お子さんが生まれた家庭では、子供が大きくなるにつれて出費が多くなり、何かとやりくりが大変になっていくでしょう。お金をうまくやりくりするには、賢いママの手腕が必要です!そこで、子育てファミリーのお金事情を良くするにはどんな点に気を付けるべきなのか、プロにお話を伺いました。

数多くの世帯にアドバイスをされ、豊富な経験をお持ちのファイナンシャルプランナー・前野 彩先生に伺いました。

――子育てを始めた家庭では、お金のやりくりをうまく行うことが求められると思うのですが。

前野先生 はい。ママが家計を預かっている家庭では、ママの手腕が問われますね。でも、ママだって誰からもお金のことは習っていないのだから、パパの「ママに任せるよ」という思いは厳禁です。家族みんなで使うお金だから、パパも一緒になって安心できる家計を考えることが大切なのです。

――お金事情は良くするポイントは何でしょうか?

前野先生 ポイントは2つ、
●「こころ」
●「お金」
です。

「こころ」に関して言うなら、
●「普通」を捨てること
●「事実」と向き合うこと
●「ゴール」を見ること
の3つの面があります。

■「普通は」「平均では」といった考え方はしない!

――「普通」を捨てるとは、どのような考え方でしょうか。

前野先生 「普通は」「平均は」「一般的には」の範囲に収まっていれば大きな失敗はしない、と思っている。これはあまりお勧めできる考え方ではありません。

例えば、自分の家計の収支を考えずに「普通はこれぐらい支払っているから」といった考え方で住宅ローンを組む人。また「普通は子供が生まれたら保険に入るのに、保険がゼロでは不安」という人。私のオフィスに相談に来られる人でもいらっしゃいます。

――自分が人並みにやっているのかは誰でも気になるところだと思うのですが。

前野先生 そのお気持ちは分かるのですが、「自分の家庭はこれでいいんだ」という思いを持たないと、「何かあったときのために普通はこうする」「普通よりも安いから入っておこう」などと流されてしまい、「本来は不要な生命保険料を支払う」なんてことが起こりがちなのです。

お金の事情は本当に千差万別ですから、一般的かどうかよりも「私の家庭の事情」をしっかりと考え、その出費が本当に必要などうかを判断しましょう。

■「事実」と向き合う強い心を持とう!

――家計の収支について、うまくいっていないと目を背けがちになります。

前野先生 それが人間の心理ですね。見直したいけれど、「過去の自分の選択が失敗だった」と思いたくないので、抵抗を感じるケースがあります。

また、お金がかからないという情報は無視し、お金がたくさんかかるという情報を見つけて、「やっぱりこんなにかかるんだ」と、自分の不安に合った情報を選択するケースがあるのです。

例えば、「あなたのご主人に死亡保険は不要です」という結論が出たにもかかわらず、「もしものときにはこれだけ必要だから、やっぱり保険に入っていてよかったですね」という答えを期待してしまっている場合などがあります。

不要な死亡保険などは、それが不要と分かればすぐに解約した方が出費を抑えられます。なのに、なかなか解約したがらない人がいるのは、「自分の選択が間違ってなかった」と思いたいからです。

――実例を教えてください。

前野先生 例えば、パパが亡くなってもママと子供が生きていけるように、と考えたとしますね。

18歳までの子供が1人いれば、妻と子は遺族基礎年金で「年間約100万円」を受け取ることができます。

夫が会社員や公務員なら、さらに遺族厚生(共済)年金がもらえます。年間約40万円とすると、夫が自営業でも月8.3万円、会社員などなら11.6万円を受け取れます(すでに加入している社会保険の給付を確認することがポイント)。

ですから、もし残されたママに働く意思があれば、またママが働いているのであれば、そのうえにママの収入がプラスされるので、すぐに困窮したりすることはないわけです。こんなときは、パパの加入している生命保険の支払いを貯蓄に回した方が、将来のためにはいいかもしれませんね。

今は保険を選択しない方が、未来の貯蓄が増える。それが安心になる。こういった新しい事実としっかりと向き合うことです。

――なるほど。

前野先生 自分の家計の収支をしっかりと見て、本当に必要な出費とそうでない出費をきちんと直視することは、とても大事なのです。

■「ゴール」をきちんと見据える!

――家計収支を見直すことのゴールは何でしょうか。

前野先生 お金事情を良くするためには、「ゴール」をしっかり見据えていなければなりません。

例えば、上記の例でいうと「お金事情を良くするために貯蓄を増やすこと」。これがゴールです。

しかし、往々にして保険の見直しに集中してしまい、「そもそもなぜ保険を見直そうと思ったのか?」というきっかけや、「貯蓄を増やす」というゴールを見失ってしまうことがあるのです。

また、すでに年金保険料や健康保険料、雇用保険料という保険料を支払っていることを忘れて、見えやすい自分の家計の中のお金だけで判断してしまう傾向があったりします。

家計だけでなく、会社の制度、社会の制度、自治体の制度など幅広い視点を持つとともに、常に「何のためにやっているのか」というゴールを意識すること。これがとても重要です。

■実践できる! チェックポイントを確認しよう!

――「お金」に関しては?

前野先生 これは実際の収支、「お金の出し入れ」についてです。今まで述べたものは「こころ」、つまりメンタル面ですが、これは物理面です。

正しい情報とその選択がポイントです。

具体的に項目を挙げてみましょう。

次の項目に当てはまる数が多いほど、家計が改善する可能性も高いのです。

●天引き貯蓄はしているけれど、クレジットカードの支払いもあり、赤字続きで、貯蓄が増えない。

●対策⇒クレジットカードを封印して、現金でいくら使っているのかを確認する。先月使ったお金を全部現金で机の上に並べてみると、使ったお金の重みが分かります。

●どの支出に分けたらいいのか分からなくて、「雑費」が多い。

●対策⇒雑費はシャンプーやトイレットペーパー、クリーニング代なので、5,000円以内に抑えるもの。5,000円を超えるなら、お小遣いの額をはっきりと決めて、家計管理の見直しを行います。

●子供に必要だからと思って買っているけれど、実は、自分の趣味で着させたい洋服などが多い。

●対策⇒子供に必要なお金と自分が楽しみ的に出している支出を分けて管理しましょう。楽しみ的な支出が見直しの対象になります。

●冬や夏に水道光熱費が大きく値上がっても、気候のせいなので仕方がない。

●対策⇒1年間の総水道光熱費を出してみて、納得できるなら継続、もったいないと思ったら使い方を変えましょう。

●携帯は手放せないから、通信費の節約は無理。

●対策⇒機種代金が残ったまま次の携帯を買ったりしていないか確認。携帯会社や通話プランの見直しは定期的に行います。

●化粧品やネイル、エステなどのおしゃれのお金は、かかって当たり前。

●対策⇒1年間のおしゃれ費用、お小遣いの額などを出してみて、納得できるなら継続、もったいないと思ったら使い方を変えましょう。

●子供が学校の帰り道や学校でけがをした。医療費はかかったけれど、乳幼児(子供)医療制度があるから自己負担が少なくて助かった。

●対策⇒学校や公立保育園、幼稚園は、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度に加入しているケースが多いのです。学校が加入していて、学校で、または登下校中にけがをした場合は、学校に申請すると、実際に支払った医療費に加えてかかった医療費の1割が戻ってくるので、実質プラスのお金が手元に残ります。

●出産関係でお金がかかった。医療費控除の確定申告に行った方がいいと思うけど、面倒くさいから放っておこう。

●対策⇒所得税の還付があるし、住民税も下がるし、公立保育園の保育料も安くなる可能性があるので、合計効果は数万円に及ぶこともあります。確認してみましょう!

●生命保険料はコツコツ月払いで支払っている。

●対策⇒生命保険料は、月払いよりも年払いの方が割引があってお得です。確認しましょう!

●遺族年金制度はよく分からない。

●対策⇒もしものときに、誰が、いくら受け取ることができるのかを正確に知っておくこと。適切な死亡保険の加入にはこの情報が不可欠です!

■お金はとても大事です!

――たくさんチェックポイントがありますね。

前野先生 他にも、

「入院したときが不安」
「住宅ローンがあるけれど、貯蓄できるのか」
「実家の親が子供の教育費を出してくれそうだけど、税金は?」
といった不安なポイントなどは、まだまだあるでしょう。

ですが、本当に皆さん事情は千差万別です。ぜひ自分の事情をしっかりと再確認して、「普通はこう」といった考え方に惑わされずに、自分のお金事情をより良くしてください。

お金はとても大事です。もし何か不安なことがあったら、ぜひ相談してください。大事なお金をしっかり守っていきましょう。

いかがだったでしょうか。

スゴ腕のファイナンシャルプランナーとして有名な前野先生から、とても有益なアドバイスをいただきました。

皆さんも、一度自分の家計の収支について再確認してみるのがよいのではないでしょうか。

⇒ファイナンシャルプランナー・前野彩先生の公式サイト
http://www.fp-will.jp/

⇒『書けばわかる!子育てファミリーのハッピーマネープラン』(日本経済新聞出版社より刊行)
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(高橋モータース@dcp)