浅田真央が自らの殻を破ろうとしている。フィギュアスケートを専門とするジャーナリストが証言する。
 
「代名詞であるトリプルアクセルをはじめとするジャンプが真央ちゃんの最大の武器。一方、目つき、顔つき、滑らかな手の動きなど、女性の美しさを強調した演技が苦手で、ライバルの後塵を拝する原因となってきた。

 真央ちゃんはどうしても顔つきの幼さが前面に出ていましたからね。でもね、最近ようやく、自然に大人びた表情で演じられるようになってきたんです。フィニッシュのときの高揚した表情には内面の人間性が滲み出ていると思います」
 
 浅田も自らの弱点を自覚していた。浅田が10歳から12歳のときまでバレエを教えた越智インターナショナルバレエのダンサー、越智久美子氏が明かしてくれた。
 
「一昨年の9月、真央が私に『またバレエを習いたい』と電話を掛けてきたのです。会って話を聞くと、スケートに活かすために本気で習うつもりだということがわかったので、国際的に活躍する外国人のダンサーに指導してもらうようにしました。バレエは体で言葉を表現する芸術であり、テクニックだけではなく内面の魂で表現するものなんです」
 
 そうした表現の仕方を体得したからなのか、ここにきて演技が大人っぽくなった、と越智氏もいう。
 
 ジュニアの頃から浅田を取材してきたスポーツ紙記者が指摘するように、「以前は鉛筆のような体型だったが、最近は腰からお尻にかけてのラインに女性らしい丸みが出てきた」。浅田も今や23歳。その肉体も年齢に相応しい成熟を見せている。
 
 それがジャンプを難しくする一方、「艶やかな演技をこなせるようになった」と演技の幅が広がってきたと見る専門家は多い。日本スケート連盟関係者はこんな話をする。
 
「『恋人ができた』という声がスケート関係者の間であがっているんです。男性の存在によって演技が大きく変わった安藤美姫選手の例もありますから、よかったね、と関係者の間で話していたんです」
 
 スケート漬けの生活といっても、23歳の女性が年齢に相応しい恋をしていたとしても当然だし、そのことがアスリートとしての成長をもたらしているとすれば歓迎すべきだろう。

※週刊ポスト2014年2月28日号