人間、空腹では仕事はできず、能率も業績も上がらない。そのため企業のなかには、こんな食の無料サービスを展開するところもある。

 人間を突き動かす原動力の源である欲望のうち、特に食に関する欲望は誰もが毎日旺盛だ。ビジネスにおいてもやはり「食」は、ないがしろにはできない存在のようだ。

 早朝出勤者には、軽食を「無料」で配布しているのが伊藤忠商事(本社:東京都港区)。同社では、昨年10月より業務遂行の効率化と健康管理などの観点から、働き方を見直す新制度を導入し、現在は検証期間となっている。新制度は朝型勤務を奨励するもので、原則20時以降の勤務は禁止だ。そして、やむを得ない場合は始業開始となる午前9時以前に出社して、仕事の時間にあてるようにと促す。この新制度に伴い、時間外手当の割り増しも午前9時まで延長。そして8時以前に出社した社員を対象に、朝の栄養補給の一助として、バナナやヨーグルトが配られることになった。なお新制度を正式に導入するか否かについては、検証期間が終了する3月に、その判断が下されるようだ。

 今年で会社設立18年を迎えたヤフー(本社:東京都港区)が、先ごろ開設した社員食堂「BEAS6(ベース・シックス)」のランチ価格は、4月から会社の業績次第となる。同施設は、社員間や関係者の活発なコミュニケーションで、さまざまな情報が集まり、発信される場となることを目指したもので、ヤフーでは初の試み。そして同施設が、社員により会社の業績を身近に感じてもらおうと採用したのが、ランチ価格の「業績連動」だ。これは、前四半期の会社利益目標を達成すれば、次の四半期は「ランチ無料」となるもの。つまり今年1〜3月期の目標が達成されれば、4〜6月まではお昼はタダになる。逆に未達の場合は、通常価格540円から会社負担分の130円が差し引かれ、社員の出費は410円となる。

 一方、“世界一の社食”は、いつでも「24時間無料」だ。世界一の福利厚生を提供することを目指すGMOインターネットグループ(本社:東京都渋谷区)の社員食堂「GMO Yours」は、社員の要望を最大限に反映して2011年6月に開設された。8時から20時は焼きたてのパンとコーヒーが楽しめるカフェコーナー、ランチはビュッフェスタイルで12時から14時まで、そして軽食や飲料、菓子類が選べる自動販売機は24時間利用することができる。座席は、カウンターやボックスソファなど150席。また別フロアに託児所もあるので、子ども用イスも用意されている。ちなみに総工費は約7,000万円だったという。

 人間はおいしいものを、しかも無料で口にすれば、元気もやる気もがぜん湧いてくるのかもしれない。

■記事全文へ