海外の空港にある免税店では、当たり前のように中国語を目にする【撮影/大橋史彦】

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2006年に中国に移住した大橋さん。蘇州、北京、広州、そして08年からは上海に在住。情報誌の編集長を経て13年9月よりフリーランス。新宿や秋葉原の家電量販店やデパートで、必ず目にする中国人旅行者たち。彼らはなぜ、あれほど大量のお土産を購入するのか。中国人妻を持つ大橋さんならではのレポートです。

 中国国家観光局の発表によると、今年の春節連休中(1月31日〜2月6日)、団体ツアーに参加して海外旅行に出かけた人の数は472.5万人で、前年比18.1%増だという。一方、JTBが昨年末に発表した推計によると、日本の年末年始の海外旅行者数は69.5万人(2013年12月23日〜2014年1月3日)。人口差が大きいとはいえ、中国の数字には個人旅行客が含まれていないことを考えると、ものすごい数だ。

 この時期に集中しやすい事情もある。1週間以上の連休は、ほかには10月1日の国慶節(国慶節)前後だけ。あとは3連休が5回あるだけだ。しかもその連休の前後、土日のいずれか1日が振替出勤になることがほとんど。祝日を増やせばもっと消費が伸びるはずなのだが、祝日の少なさは社会主義国の特徴のようだ。そんな事情もあり、春節と国慶節期間中は、海外の観光地が中国人であふれかえることになる。

ひとのために買い物

 海外旅行の目的のひとつは、なんといっても買い物。有名観光地や空港では、大量の袋や箱を抱えた中国人の集団を目にする。その姿にかつての日本人を重ねるひともいるが、抱えている量が半端ではない。これが世界第2位の経済力なのか。それだけではない気がする。

 そもそも買い物への意識が違うのだ。一般的にいえば、海外旅行先では何か記念になるものを購入するのではないだろうか。ところが中国人は実用的なものが多い。普段から海外製品をよく使っているからだ。

 正規に販売されているものだけでなく、ECサイトにも膨大な海外製品が流通している。しかし当然、価格には輸送費などのコスト、正規品の場合だとさらに関税などが反映されるので、相当割高になる。それが日本や外国に行けば、"定価"というだけでかなりのお得感を得られるわけだ。

 ただし、自分で使用するためだけに買うわけではない。親戚や友達に頼まれたり、誰かにプレゼントする場合もある。この頼まれる量が多い。

 日本人の場合、よほどの理由がないと、わざわざ海外に行く友人に買い物を頼まないだろう。しかし中国人はそのハードルが低い。ひととの距離感が近いといってしまえばそれまでだが、国産よりも海外(先進国)製品のほうが優れているという海外信仰が強い。たとえそれが同じメーカー・ブランドの製品であってもだ。

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