スマホやタブレットなどの普及で、女性も目の疲れを訴える人が増えている。最近では、「液晶から発するブルーライトが目に悪影響を及ぼす」という報告も。

「生後半年のマウスを青色LEDのもとで6カ月飼育したところ、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせんしょう)という目の病気を発症したことが明らかになりました。これは、加齢により、光の焦点を結ぶ黄斑という場所が変化してしまうこと。そこに酸化リン脂質がたまることが原因で、視力が低下し、ひどくなると失明します」

そう語るのは、大阪大学大学院医学系研究科・眼科学の瓶井資弘(かめいもとひろ)准教授。欧米ではすでに、加齢黄斑変性症が成人失明の原因の1位に。日本でもどんどん増えており、現在は70万人ほどの患者がいるという。

発症予防には光の刺激を減らすこと。とくに、エネルギーの大きいブルーライトを避けることがいちばんだ。瓶井先生は、パソコン作業時はブルーライトをカットする、パソコン用の黄色いメガネをかけているという。

「食生活も関係しているようです。高脂肪食を食べたマウスは、普通食のマウスより加齢黄斑変性症になりやすいという実験結果が出ています」(瓶井先生・以下同)

バランスのよい食事を心がけ、テレビやパソコン、スマホの利用はほどほどにということだが、もっと積極的に目をケアする方法も。

「近くを凝視すると、眼球内の小さな筋肉が緊張。これを緩めてあげるといいでしょう。30分〜1時間、近くを見つめたら、3分〜5分、ぼんやり遠くを見て、眼を休めるといいですね」

また、『視力復活眼筋トレーニング』などの著書もある作家の若桜木虔(わかさぎけん)さんに、目の周りの筋肉をゆるめるマッサージを教えてもらった。

【目の下のマッサージ
目の下にある骨の山の部分を中指の下でグーッと押す(回数は適宣。気持ちのいい程度に)。

【目の上をマッサージ
目の上のくぼみを親指の腹で押し上げる(回数は適宜。気持ちのいい程度に)。