ソチ五輪・モーグル女子で4位入賞した上村愛子選手(画像はYouTubeのスクリーンショット)

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ソチ冬季オリンピックのモーグル女子で決勝に勝ち進んだ上村愛子選手は4位に入賞した。日テレの五輪キャスターとして彼女を見守ったのが金メダリストでプロフィギュアスケーターの荒川静香さんだ。実はこの2人、スキー・モーグルとフィギュアスケートといった別種目の選手ながら強いつながりがあることはあまり知られていない。

上村愛子選手は18歳で1998年の長野オリンピックで7位に入賞。2002年のソルトレイクシティオリンピックで6位入賞。2006年のトリノオリンピックで5位に入賞。2010年のバンクーバーオリンピックで4位入賞。そして2014年のソチオリンピックで悲願のメダルを狙ったが惜しくも4位入賞となったことはご存知の通りだ。

実はトリノ五輪に出場した際に、上村選手は女子選手には珍しい大技エア“コークスクリュー”(空中で縦方向と横方向の両方に身体を回転させる、3Dエア)」を成功させた。ところがメダルには届かず、インタビューに「一体どうすればオリンピックの表彰台に乗れるのか…謎です」と答えている。

そんな悔し涙を飲んだ上村愛子選手だが、モーグルへの情熱は消えていなかった。トリノ五輪で日本代表唯一の金メダルを獲得した女子フィギュアの荒川静香選手のスケーティングを見て「自分に足りないのは“技の完成度”だ」と気づいて奮起する。あの伝説のイナバウアーが上村選手の心を打ったのだ。

荒川静香選手はトリノ五輪後にプロに転向した。次のバンクーバー五輪を前に上村愛子選手を取材したのはその荒川静香さんだった。上村選手がトリノで学んだ「完成度の高さが勝利のカギ」という視点について、荒川さんは「技の難易度よりも技の完成度の高さが重要で、フィギュアスケートでも同じことがいえる」と伝えていた。

今回のソチ五輪の決勝で、コークスクリューにこだわりを見せていた上村選手がそれを封印したのも「技の難易度よりも技の完成度の高さ」という教えを思い起こしたからではないだろうか。

残念ながら上村選手が4位となったことについては『採点基準が見直され、スキーを横に滑らせることへの減点が緩和された』ことが影響しているという見方もある。

決勝を滑り終えた上村選手は「点も見ずに泣いていた」という。「いい滑りができた」と実感できたからだ。荒川静香さんも目指した滑りが出来た上村愛子選手に心から拍手を送ったことだろう。

※画像はYouTubeのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)