2015年の税制改正施行開始により相続税課税対象者拡大が見込まれるなど、「相続」が話題となりつつある。そうした中、三菱UFJ信託銀行がおこなったインターネット調査では生活者の「相続」への意識・ニーズなどの実態を聞いている。

調査結果によると、「これまでは『リタイア後など比較的高齢を迎えてから向き合い、考えるもの』というイメージが一般的であった相続」だが、関心が顕著に高まりを見せるのはまだ現役世代である50代からだと明らかになった。

『遺言代用信託』など信託商品の活用も、ひとつの解決策に

「『相続』について考える人が増えてきている感じがする」と回答した人は、40代で54.5%と半数を超え、50代では61.2%に。また、「『終活』について自分も知りたい、調べてみたいと思うようになった」 という人も、40代は51.1%、50代は56.8%と過半数だ。

一方で、関心はあるものの具体的な情報収集や手続きまでは取り組めていない現状もある。「相続について、どのような作業や手続きが必要か具体的に知っている」という設問に対し、「そう思う」と答えた割合は、50代では42.0%で半数を大幅に下回る。さらに、「相続の手続きは、面倒そう、手間がかかりそうなイメージがある」と答えた割合は、50代では76.0%に上る。これを反映したかのように、「遺言を作成したうえで、資産承継について考えるべき」という人は、50代が14.0%で全年代の中でも最小の割合だ。

こうしたわずらわしさを解消するため、「プレ相続」と呼べるようなサービスに対する利用意向も高いと同社は分析する。「遺言書作成や弁護士経由でなくても家族に資産承継の手続きを完了できるサービスがあったら利用してみたい」割合は50代で60.0%。 また、「相続について、無料で相談できる窓口があれば利用してみたい」については50代で64.4%もいる。

調査結果について同社は「手間も費用もかからず、簡易的に相続に対する準備を行える『プレ相続』といったようなサービスに注目が集まる可能性があると考えられます」とし、 「たしかに遺言を書くには時間も費用もかかり、相応の『気構え』が必要です。50代など現役世代にはそれが大きなハードルと映る。調査からは、彼らの時間やコスト、気構えのハードルを下げた、いわば『プレ相続』のような商品・サービスへのニーズが窺えます。自身の死後遺族に当座の一時金が支払われるなど、遺言に似た機能を持つ『遺言代用信託』など信託商品の活用も、ひとつの解決策となるかもしれません」とコメント。

NPO法人遺言・相続リーガルネットワークの事務局長で、相続問題に詳しい弁護士の長家広明氏も「相続税改定によって、今まで税金がかかっていなかった方も他人ごとではなくなるので、若い方もこれを機会にぜひ考えてほしい。50代の関心が高いのは、今後定年も控え、自身の資産も落ち着いてくるという点があるだろう。子供も独立し始め、大きな資金の動きもなくなり、腰を据えて将来を考えやすい時期だからではないか。相続を考える際には、我々のような専門家にも相談してほしい。金銭を管理でき、葬儀代などにも有効な『プレ相続』に該当する信託商品と遺言を組み合わせた対策などをお勧めする場合もあり、トラブル確率を0%に近づけていく」とアドバイスしている。

調査の対象としたのは保有金融資産500万円以上の30代以上男女 1000人で、調査時期は2013年12月。