投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月10日〜2月14日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、11日・13日のイエレン第15代米国連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を見極める展開となる。米国債償還・利払いで円買い圧力が強まる可能性、3月期末に向けたヘッジファンド解約45日前告知ルールで、日本株売り・円買い圧力が強まる可能性に要注意か。

 ヘッジファンド勢が、FRBによるテーパリング(量的緩和縮小)を材料にして、新興国市場から資本を引き揚げ、日米株式市場での売り仕掛けた背景は、2013年からの買い持ちポジションの利益を確定させつつ、2014年の買いポジションの持ち値を安くする狙い、そして、イエレン議長の危機対応能力を見極める意図がある、と言われている。

 グリーンスパン第13代FRB議長は、「ブラックマンデー」という株式市場暴落に対してグリーンスパン・プットを設定、バーナンキ第14代FRB議長も住宅市場暴落に対してバーナンキ・プットを設定し、市場の暴落に歯止めをかけた。

【イエレンFRB議長の議会証言】(11日・13日)
 イエレン議長は、11日に下院、13日に上院で議会証言を行う。雇用市場を重視し、「最適コントロール」という金融政策を信奉するイエレン議長による、テーパリングのロードマップ、フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)への見解に注目することになる。

【日本12月の国際収支】(10日)
 日本の12月の経常収支は、-6854億円の経常赤字が予想されており、1月は過去最大の貿易赤字が予想されていることで、1月も経常赤字が予想されている。日本の経常赤字、貿易赤字の継続は円売り要因となる。

【米国債償還・利払い】
 本邦機関投資家による米国債償還・利払いで円買い圧力が強まる。3月期末に向けたヘッジファンド解約45日前告知ルールで、日本株売り・円買いという、安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いが強まる可能性にも要注意か。

【G-20準備会合】(15日)
 22-23日に開催されるG-20財務相・中央銀行総裁会議に向けて、準備会合が予定されている。新興国市場の混乱が深刻化した場合、緊急G-7会合が開催される可能性もあるため要警戒か。

 2月10日-14日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)12月経常収支− 10日(水)午前8時50分発表
・予想は、-6854億円
 参考となる11月実績は、5928億円の赤字だった。所得収支の黒字幅はやや拡大したが、サービス収支が赤字となっていることや輸出が期待されたほど増えていないことが影響している。燃料や航空機の輸入額の増加も無視できない。12月については所得収支の黒字額に大きな変化はないと予想されており、市場予想は妥当か。

○(米)1月小売売上高− 13日(月)午後10時30分発表
・予想は、+0.0%
 参考となる12月実績は前月比+0.2%。自動車、ガソリン、建設資材、飲食業を除くコアベースの実績は前月比+0.7%。個人消費の勢いは衰えていない。1月については天候不順が影響する可能性もあるが、市場予想は妥当な水準か。

○(米)1月鉱工業生産− 14日(金)午後11時15分発表
・予想は、前月比+0.3%
 参考となる12月実績は+0.3%。製造業の伸びが寄与した。1月については雇用情勢などを考慮すると、製造業の伸びが鈍化する可能性は低いとみられており、まずまず順調な数字となる見込み。市場コンセンサスは妥当な水準。

○(米)2月ミシガン大学消費者信頼感指数− 14日(金)午後11時55分発表
・予想は、80.5
 参考指標となる同指数の1月確報値は81.2で12月実績の82.5を下回った。ただし、速報値80.4からは上方修正されている。富裕層の間で信頼感が上昇していることが確認されているが、労働市場の大幅な改善は確認されていないだけに、指数は伸び悩む可能性がある。

 主な発表予定は、12日(水):(日)12月機械受注、(米)1月財政収支、13日(木):(米)12月企業在庫、14日(金):(米)1月輸入物価指数。

【予想レンジ】
・ドル・円100円00銭〜105円00銭